『おちょやん』トータス松本と『スカーレット』北村一輝、“最低”ダメ親父はどっち?

『おちょやん』トータス松本と『スカーレット』北村一輝、“最低”ダメ親父はどっち?

 『おちょやん』(NHK総合)が第2週「道頓堀、ええとこや~」に入り、千代(毎田暖乃)以外はキャストも様変わりしている。

 千代が芝居茶屋「岡安」のお茶子として日々奮闘する中、道頓堀にやってきていた小林(烏川耕一)伝いに聞くのが、「テルヲらな、夜逃げしくさったんや」という悪い報せだ。登場せずとも、さらなるダメっぷりを発揮するテルヲ(トータス松本)。彼には「かなわん」という言葉が一番しっくりくる。

 第1週を受け、ネット上で沸き起こっていたのが、大阪朝ドラ(朝ドラの制作は『エール』が東京制作、『おちょやん』が大阪制作……と交互に担当している)に流れるダメ親父の系譜。テルヲと一緒に槍玉にあげられているのが、一つ前の大阪朝ドラに当たる『スカーレット』(2019年)に登場したヒロイン・喜美子(戸田恵梨香)の父・常治(北村一輝)である。

 常治と言えば、大の酒好きで酔いつぶれては、カッと怒りすぐさまちゃぶ台をひっくり反すのがお得意の技。さらに、家事はからきしで自分勝手な亭主関白、借金をしてしまう……といいとこなしのダメ親父だった。けれど、救いは彼の根本に愛情があること。『スカーレット』は戦後、借金から逃れ、ツテを頼って一家で信楽にやってくるところから物語が始まるが、そのツテこそ常治が戦地で助けた信作(林遣都)の父・忠信(マギー)。その話は語り草として何度も登場し、困った人を見捨てられない性分は、喜美子らが信頼している部分。言葉は乱暴で自分に正直になることができないが、その裏で常治は誰よりも家族を愛していた。

 演じる北村一輝はインタビューで「愛情の表現は千差万別ですよね。常治は愛情があるからこそ本気で怒れる。そして、それが家族にもしっかりと伝わっています」(『連続テレビ小説 スカーレット Part1』より)と“昭和の父”として奥底に秘めた人間性を話している。

 対して、テルヲはどうだろうか。常治との共通点は酒飲みで家事を娘に任せている部分。テルヲは鶏の世話も千代に任せっきり。鶏・流星丸を売りに出かける時だけは威勢がよかった。その愛情から常治は人には恵まれていたが、新しい母として連れてきた栗子(宮澤エマ)もこれまた家事がからきしできないところからも、ダブルでテルヲのダメっぷりを引き立たせている。

 千代から鶏と家族を天秤にかけられ、「そねなもん決まっとるやないけ、流星丸や」とキッパリ答えてしまうところ、そして奉公で家を出て行く千代に追い打ちをかけるかの如く、栗子が嫌がるからと仏壇にあった実母・サエ(三戸なつめ)の写真を差し出すテルヲ。そのダメさに自分で気づかないナチュラルさが、真のダメ親父としての威厳を放っているように思える。

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