板尾創路、『おちょやん』に喜劇の帝王として登場 『監察医 朝顔』とは別人のようなオーラ放つ

板尾創路、喜劇の帝王としてオーラ放つ

 舞台を大阪・道頓堀に移した第2週「道頓堀、ええとこや~」では、『おちょやん』(NHK総合)における重要人物が次々と登場している。今後、千代(毎田暖乃)の母親的な存在になっていく芝居茶屋「岡安」の女将・岡田シズ(篠原涼子)、千代の運命の相手であり喜劇一座の座長となる・天海一平(中須翔真)、千代の憧れのスター女優・高城百合子(井川遙)。そして、第9話で登場したのが、須賀廼家万太郎一座を率いる喜劇王・須賀廼家万太郎(板尾創路)だ。

 一平の父、初代・天海天海(茂山宗彦)が33歳の若さでこの世を去った前回。道頓堀の芝居小屋を牛耳る鶴亀株式会社の社長・大山鶴蔵(中村鴈治郎)が喪主を務め、彼の意向で鶴亀座での劇場葬が執り行われることとなった。そこに満を持して姿を見せるのが、万太郎である。というのも、『あさイチ』(NHK総合)の朝ドラ受けにて博多大吉も触れていたように、第8話で(板尾創路にそっくりな)似顔絵の描かれたビラが撒かれていたことも、視聴者の期待を煽る演出になっていた。

 鉦の音をお囃子に、威風堂々と劇場に現れた万太郎。シズの母で天海天海とも付き合いの深かったハナは「あれがあんたのお父ちゃんが越えようとした男」と一平を通して、我々視聴者に万太郎の偉大さを伝える。これでもかというほどにハードルが上がりきったところで、万太郎は被っていた帽子をゆっくりと取る。そこには頭に乗った一個の卵が。手のひらでそのままパカッ!と潰して見せると、背後からパーッと色とりどりの花吹雪が舞い、そこで初めて万太郎はニカッと笑って見せる。ナレーションで、30年日本の喜劇界に君臨し続ける喜劇の帝王と紹介される中、「ハッハッハッ!」と高笑いし続ける万太郎。彼なりの故人への手向けだ。後ろには舞い上がり続ける花吹雪。そのギャップが、彼の底知れぬオーラ、異彩を放っていた。

 もちろん、板尾創路が演じているからこそ、その演出がよりシュールに感じられる要素もある。今さら説明するまでもないが、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)を機に一躍脚光を浴びた板尾は、芸人の中でも「異才」「唯一無二」という言葉がぴったりのレジェンド的存在だ。

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