ベイダー卿ら『スター・ウォーズ』関係者複数 2020年コロナで亡くなった映画業界人を振り返る

コロナによって亡くなった映画業界人

マッテオ・デ・コスモ(アートディレクター/52歳没)

 過去に輝かしい栄光を築いた著名人だけでなく、今が働き盛りだった業界人も残念ながらこの世を去ってしまいました。52歳という若さで亡くなったマッテオ・デ・コスモはまさに、その内の1人です。

 イタリア出身の彼は90年代後期から主『サウスパーク』で知られるケーブルテレビチャンネル、コメディ・セントラルのドラマでアートディレクターとして活躍。その後、第82回アカデミー賞で数部門受賞した『プレシャス』をきっかけに、ロブ・ライナー監督作『最高の人生のつくり方』やチャドウィック・ボーズマン主演作『21ブリッジ』など、映画作品にも携わっていきました。

 近年の活躍はめざましく、日本でも話題になったヒットドラマ『マダム・セクレタリー』やマーベル作品『ルーク・ケイジ』に『パニッシャー』の美術も担当。最近ではABC局の新作ドラマ『Emergence(原題)』を手掛け、ちょうどコロナが蔓延し始めた頃に制作が開始された同局の料理番組『Harlem's Kitchen(原題)』のアートディレクターも務める予定でした。

デヴィッド・プラウズ(俳優/85歳没)

 シスの暗黒卿、ダース・ベイダーを旧三部作通してスーツアクターとして演じきったデヴィッド・プラウズ。もともとボディビルダーやウェイトリフティング選手として活躍していた彼は、その筋肉質な巨体(198cm!)を生かしてフランケンシュタイン役やマッチョ男役として60年代後半から映画に出演し始めます。そして1971年、スタンリー・キューブリック監督作『時計じかけのオレンジ』で主人公アレックスが再び作家の家に訪れた時に彼を捕まえた用心棒、ジュリアンを演じたことでジョージ・ルーカスの目に留まりました。また、彼は同年から“グリーンクロスマン”という、子供達の道路交通安全を見守るスーパーヒーローとしても個人で活動を始めており、90年まで続いたことで2000年に大英帝国勲章を授与されています。

 ダース・ベイダーが彼の名を世界に知らしめた大きな役柄であったにも関わらず、彼は声を別人に吹き替えられたり、ラストの素顔も別俳優に変えられたりと不満を抱いていました。それに加え、とあるリーク事件をきっかけにジョージ・ルーカスと仲違いに。リークの犯人と決めつけられたプラウズは、のちに記事を出した記者が彼の身の潔白を表明するも確執は続き、2010年にはルーカス・フィルム関連の公式イベントへの出禁を言い渡されてしまいます。そんな彼についてのドキュメンタリー『I AM YOUR FATHER』が2015年に公開。

 プラウズはその後、2017年まで活動をしていましたがアルツハイマーに。11月にコロナウイルウスに感染後、2週間の闘病を経てこの世を去りました。

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