『麒麟がくる』足利義昭の豹変ぶり 滝藤賢一が無力さゆえの葛藤を体現
義昭が口を滑らせた通り、摂津は茶会の席で光秀を討つ計画を立てていた。だが、何も知らぬ光秀は招待を受け、本国寺を訪れる。廊下を歩いていると、目の前に現れたのは細川藤孝(眞島秀和)だった。藤孝から摂津の図り事を知らされた光秀は、怯まず義昭の部屋を目指す。摂津の家臣らに襲われ、足に怪我を負いながらもなんとか義昭の部屋に辿り着いた。
そこで光秀が話したのは、3年前の本国寺の一件。義昭と穴蔵に逃げ込んだときの思い出に例え「今日は私が命を狙われ、この穴蔵に逃げ込んだ次第。事情はよう似ておりまする」と語り掛ける。そして、今が摂津をはじめとした幕府内の古い者を捨て去る良い機会だと義昭に訴えかけるのだった。信長が道を外れた時には、自分が義昭を守るとまで言い切る光秀に義昭は涙し、とうとう摂津から政所の役を取り上げることを決断。摂津もいよいよ年貢の納め時、三淵藤英(谷原章介)と藤孝の家臣らによって取り押さえられてしまう。だが、義昭が信じたのはあくまでも光秀であり、決して信長を認めた訳ではなかった。
今回の一件で光秀を助けるために裏で奔走していたのは駒と伊呂波太夫(尾野真千子)だ。後日、光秀は礼を言いうために伊呂波のもとを訪れた際に、帝(坂東玉三郎)と近しいという人物を紹介してもらう。いよいよ光秀が御所で帝と対面する日がやってきたのだ。複雑に絡み合う人間関係の中、光秀は帝とどのような会話を交わすのだろうか。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00〜放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00〜放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
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