田中圭は人間に戻れるか? 『先生を消す方程式。』ゾンビ展開を狙う鈴木おさむの方程式
『M 愛すべき人がいて』に続いて白眼の丸い変顔を披露した久保田紗友や『奪い愛、夏』にも出演した松本まりかをはじめ、俳優一人ひとりが鈴木の世界観を理解し、咀嚼することで、飛躍のあるストーリーにある種の説得力が生まれる。第6話で、朝日(山田裕貴)に馬乗りになられた状態で昏睡状態を演じた松本や、某司会を務めるピン芸人とそっくりな高校時代の朝日など、鈴木の企てに全力で打ち返した結果、副産物として他では見られないカットも実現した。
ゾンビ展開の利点は、どんなシナリオにも組み込めるところ。死んでしまった恋人やペット、歴史もの、刑事ドラマの犯人、医療過誤の犠牲者をはじめ、人類滅亡やナレ死からの再登場にも使える。幽霊と似ているが、生前と真逆の性格を設定できるところは、まさに万能キャラクター。「困った時はゾンビ出せ」の方程式は今後定番化するかもしれない。
義経ゾンビに追い回され、体育倉庫に逃げ込んだ生徒たち。朝になり、日光とともにゾンビは姿を消した。「1体いれば他にもいる」というゾンビの法則から、複数のゾンビがいる可能性も考えられる。義経は人間に戻ることができるのか? 最終章にさしかかり、ますますカオスな『せんけす』から目が離せない。
■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログ/Twitter
■放送情報
『先生を消す方程式。』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:田中圭、山田裕貴、高橋文哉、久保田紗友、森田想、高橋侃、秋谷郁甫、奥山かずさ、榊原有那、川瀬莉子、田中亨、松本まりか
脚本:鈴木おさむ
音楽:HAL
監督:小松隆志ほか
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:秋山貴人(テレビ朝日)、遠田孝一(MMJ)、小路美智子(MMJ)
制作:テレビ朝日/MMJ
(c)テレビ朝日
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