松本穂香×瀬戸利樹が明かす、瀬名快伸監督の独特な演出 『君は彼方』で感じた声優の面白さ
本番前に2人で即興エチュードも
――瀬戸さんもそういったアフレコの面白さを感じましたか?
瀬戸:やっぱり新鮮さは何よりも感じました。僕も、パンを食べながら喋るというところがあったのですが、そこはどうも難しく、とりあえず手をくわえてやったりとか(笑)。いろいろ工夫する中で、声だけだからこそ、本当にいろんなものが使える、逆に武器がいっぱいあるなと思い、それがまた楽しかったです。
――ちなみに、2人一緒のアフレコもあったんでしょうか?
瀬戸:はい、させていただきました。
松本:基本的には一緒でした。
――2人で演じることで生まれるものはありますか?
松本:そうですね。2人の日常のシーンは、やる前からそういう話をしていた気がします。いろいろな展開が後半にかけてある、前半と後半のギャップが大きい映画なので、だからこそ日常のシーンがすごく大事だと。
瀬戸:確かに。
松本:今までずっと一緒にいた2人の日常は、すごく大事に描いていましたね。だからこそ、本番前に2人で即興の芝居をやるように監督に言われたんです、全然台本と関係なく、「じゃあちょっと今から2人でデートして」みたいなことを言われて。
瀬戸:監督に言われて(笑)。
松本:「ここは美術館で、最終的にはこういうところがゴールです、こういう話まで行ってください」と軽く設定だけを決めてもらって。2人とも初対面ですけど、「わぁ!」とかを言ってました。
瀬戸:「〜だねぇ!」「きれいだね!」とか言ったりとかして(笑)。
松本:演劇のワークショップみたいなエチュードでした(笑)。それはすごく大きかったです。
瀬戸:僕は結構人見知りなので、あのエチュードのおかげで、松本さんとしっかり向き合うことができたと思っています。あの時間は本当に大事な時間でした。
――本作は、池袋の街が舞台ですが何か思い出などは?
松本:そうなんですよね。何かあってほしかったなと(笑)。ほんとにこの質問をいただくたびに思うんですけど……。
――おそらく毎回質問されていますよね(笑)。
松本:「なにかあれ!」と思うんですけど、これから縁のある場所になっていけたらいいなと思っております。
――ちなみに、この作品に参加するにあたって池袋の街を散策してみたりとかは?
松本:サンシャイン水族館に1人で行きました(笑)。澪が好きな場所という設定だったので、行かないわけにはいかないなと思って。
――瀬戸さんはどうですか?
瀬戸:僕は以前、池袋の近くに住んでいたので、いろいろなところに思い出があります。ご飯を食べることも多かったですし、今はもうなくなってしまったんですけど、バッティングセンターによく行っていて。野球をずっとやっていたので、リラックス方法の1つとしてすごく活用していました。あの池袋の街並みも映像の中に出てくるので、すごく縁を感じました。
■公開情報
『君は彼方』
TOHOシネマズ池袋ほかにて公開中
出演:松本穂香、瀬戸利樹、土屋アンナ、早見沙織、山寺宏一、大谷育江、木本武宏(TKO)、瀬名快伸、小倉唯、仙道敦子、竹中直人、夏木マリ
主題歌:saji「瞬間ドラマチック」(キングレコード)
監督・脚本・原作:瀬名快伸
制作:デジタルネットワークアニメーション
企画:CUCURI
配給:ラビットハウス、エレファントハウス
(c)「君は彼方」製作委員会
公式サイト:http://www.kimikana.jp/