繊細な悪役に定評あり 『ファンタビ』新グリンデルバルド役マッツ・ミケルセンの魅力を徹底解剖
グリンデルバルドとマッツ・ミケルセン
グリンデルバルドもまた、ヴォルデモートに比べてより深みのあるヴィランである。彼は魔法族が人間に迫害され、その正体を隠して身を縮こませて生きなければならない点に疑問を持った。彼にとって、全ては魔法族が自分のアイデンティティに自信を持ち、誰からも「化物」と後ろ指をさされないためのよりよい世界作りなのだ。そしてその背景には、ダンブルドアとの過去、決裂に至るまでの悲劇などがある。マッツはこれまでそういった、悲しい過去を背負う一筋縄ではいかない悪役に、彼なりの繊細さと冷酷さを与えてきた。特にル・シッフルは拳ではなく頭脳を使って他人を操り、汚れ仕事をさせるキャラということで、グリンデルバルドに通ずるものがある。そういう意味でマッツは、デップの後任に最適なのだ。
グリンデルバルド役を演じることになった心境を、彼はEntertainment Weeklyにてこう語っている。
「ジョニーの功績と私の演じるグリンデルバルドをしっかり繋がなければいけないから、複雑だし未だどんな風にするか考えている最中です。しかし、同時に私は役を自分の物にする必要がある。前作のグリンデルバルドとの繋がりを持たせ、橋渡しをしなければ」(参照:Mads Mikkelsen breaks silence on Fantastic Beasts 3 casting|Entertainment Weekly)
すでに役作りを始めているというマッツは、デップの騒動を抜きに考えればグリンデルバルドを演じること自体とても楽しみにしていると明かしている。私たちもこの決定を受け止め、新たなグリンデルバルドに期待したい。
■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードハーフ。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆。Instagram/Twitter