2020年は7作もの映画に出演 萩原みのりが語る、役者としての現在地

萩原みのりが語る、役者としての現在地

「まだまだ役者を続けていたい」

――役を演じているときの感覚でも変化を感じますか?

萩原:お芝居に関しては、根っこの部分はデビューしたときから何も変わっていなくて。何も変わってなくていいのかと不安にもなるんですが、変われないんですよね(笑)。9年ぐらいずっとこのやり方でやってきたから。あるとき、季節くんにいろいろ悩みを相談させてもらっていたときに、「みのりちゃんの悩みって、昨日お芝居始めた人みたいな悩みだよね」と言われて(笑)。周りに言われるまで気付かなかったことですね。でも、それがいいって彼は言ってくれました。

――ほかの役者の方々とは違う部分かもしれないですね。

萩原:現場に来たときから、すでに楽しそうな方とか、本番で急にお芝居を変えたりする方とか、見ていてうらやましいです。ある意味、『佐々木、イン、マイマイン』で悠二が佐々木を見ていたときと同じような感じかもしれないです。「やっぱり私はああいう風にはなれない」という劣等感というか、悔しさみたいなものはずっとあります。努力してもなれる類のものでもない、ある種の「才能」を感じてしまいます。

――ただ、萩原さんご自身が先ほど語っていたように、ポジティブにはなっている?

萩原:そうですね。だけど、ちゃんと前に進んでいるという自信はまだ得られていないんです。だから、私がずっとテレビで観ていたような方が私の芝居を好きだと言ってくれたり、ファンの方からあたたかい言葉をかけていただけるとすごく救われます。作品のリアクションはすごく気にしちゃいます(笑)。

――二宮隆太郎監督作『お嬢ちゃん』の際は、オファー当時、役者を辞めることばかり考えていたというコメントもありました(参照:萩原みのり×二ノ宮隆太郎監督『お嬢ちゃん』公開へ 萩原「役者で生きていく、という決意の作品」)。あれから時間が経って、役者をやっていてよかったと思う瞬間は増えましたか?

萩原:デビューした頃にお仕事した監督やスタッフの方々と、久しぶりに現場でお会いすることが最近多くて。覚えていてくださったことも嬉しいし、「ちゃんと成長したね」と言ってもらえたときに、何年もの苦労が報われる感じがします。ついこの間、久しぶりにお会いした方も、デビューしてすぐお世話になった監督だったんです。その方は当時、なぜかは分からないんですが、クランクアップの際に私に「向いてるから、辞めちゃだめだよ」って言ってくださって。だから、この前お会いしたとき、すごく嬉しそうにしてくださって。そのときの監督の笑顔を見ただけで、続けていてよかったと思えました。その監督との作品も、公開はまだなんですが、改めて「お芝居ってすごく楽しい」と思わせてくれた作品なんです。そういうタイミングが節目ごとにあるから、まだまだ役者を続けていたいと、自信を持って言えるようになりました。

――萩原さんご自身の中で、最終目標は設定していますか?

萩原:先のことは全くわからないです(笑)。このお仕事を始めた当時も、こんな今になっているとは思っていなかったですし。今がピークになったらどうしようという不安がすごいです(笑)。そうならないように目の前のことを頑張ろうと思っています。

ーー今後挑戦してみたいことはありますか?

萩原:まだまだ一緒にお仕事をしたことがない監督ばかりなので、たくさんの監督の現場に行ってみたいです。もちろん、いろいろな役者の方々ともお芝居したいし、季節くんや、今回は共演シーンが少なかった細川岳くんとも、また一緒に仕事したいです。楽しみはいっぱいあります。周りの方々がもっと喜んでくれるくらいお仕事したいとは思っています。今年こうやって、自分が出演した映画が公開できると、皆さんすごく喜んでくださるんです。そんな環境がもっとずっと続いたら嬉しいです。「萩原みのりを好きでよかった」と言ってもらえるような役者になっていきたいです。

■公開・配信情報
劇場版『アンダードッグ』【前編】【後編】
ホワイトシネクイントほかにて全国公開中
配信版『アンダードッグ』
ABEMAプレミアムにて、2021年1月1日(金)〜配信開始
出演:森山未來、北村匠海、勝地涼、瀧内公美、熊谷真実、水川あさみ、冨手麻妙、萩原みのり、風間杜夫、柄本明
監督:武正晴
原作・脚本:足立紳
音楽:海田庄吾
企画・プロデュース:東映ビデオ
制作プロダクション:スタジオブルー
配給:東映ビデオ
製作:ABEMA、東映ビデオ
(c)2020「アンダードッグ」製作委員会
公式サイト:underdog-movie.jp
公式Twitter:@Movie_UNDERDOG

『佐々木、イン、マイマイン』
新宿武蔵野館ほか全国公開中
監督・脚本:内山拓也
出演:藤原季節、細川岳、萩原みのり、遊屋慎太郎、森優作、小西桜子、河合優実、井口理(King Gnu)、鈴木卓爾、村上虹郎
制作:槇原啓右
プロデューサー:汐田海平
配給:パルコ
(c)「佐々木、イン、マイマイン」
公式サイト:https://sasaki-in-my-mind.com
公式Twitter:@sasaki_inmymind

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる