伊藤あさひ、戦隊ヒーローから朝ドラへ 『ルパパト』決め台詞と掛けた“ホームラン予告”
戦時歌謡を歌ったがために地元では戦犯と呼ばれ、大きなトラウマを抱えてしまった久志(山崎育三郎)。いつでもピカピカの靴に華麗なセットアップ、 “プリンス”と呼ばれていた久志の面影は、最早どこにも残っていない。久志を戦時歌謡に誘ったことに責任を感じていた裕一(窪田正孝)は、なんとか久志を救おうとして、新しい応援歌の歌手に推薦する。NHK連続テレビ小説『エール』第20週 では、現在まで歌い継がれる「栄冠は君に輝く」誕生の軌跡が描かれた。
「栄冠は君に輝く」は、夏の全国高等学校野球選手権大会の大会歌であることから、スポーツ選手や高校野球ファンの間でも本楽曲を愛する人は多い。また窪田正孝自身も、裕一のモデルである古関裕而の楽曲の中での“ベストソング”だと語っている。今週はこの「栄冠は君に輝く」の製作の物語の裏で、1人の野球少年の恋が芽吹く予感を見せた。
古山家の一人娘、華(古川琴音)は成長し、すっかり大人びた表情を見せるように。そんな華の初恋の人は、音(二階堂ふみ)の開く音楽教室に通っていた弘哉(山時聡真)だった。しかし弘哉は裕一の作曲した軍事歌謡「若鷲の歌」に感銘を受けたことから予科練を志望し、戦死してしまった。娘である華にとってはあまりに辛い体験だったろう。だが華も前を向いてしっかりと歩き出し、新たな恋を見つけそうな気配だ。その相手が、高校球児の竹中渉(伊藤あさひ)。2人は一緒に帰ってくると、華の家の前で会話を始める。華が照れたような表情で「次の試合、がんばってください」と伝えると、渉はそんな華に「次はホームラン打つので」と華麗にホームラン予告をするのであった。
渉を演じた伊藤あさひは、日曜朝の特撮テレビドラマ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(テレビ朝日系)で主演の1人としてルパンレッド/夜野魁利を演じた元戦隊ヒーローである。爽やかな容姿に弾ける笑顔、 好意を寄せる相手にさらりとホームラン予告もできる理想の高校球児ぶりはSNSでも話題となった。
伊藤が過去に演じていたルパンレッドの決め台詞が「予告する。あんたのお宝頂くぜ!」だったことも、この“ホームラン予告”とかかって、より注目を集めることになる。伊藤にとってまさに、はまるセリフとなった。