『先生を消す方程式。』田中圭の言葉が生徒の心を動かす 高橋文哉たち「4C」と「F4」の共通点

『せんけす』「4C」と「F4」の共通点

 着任早々サイコパスぶりを全開にしてきた義経こと義澤経男(田中圭)。振り切ったテンションはただならぬ展開を予感させたが、『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)第2話では、徐々に物語の視界が開けてきた。

 「人生にはまさかの事が起きるんです」という言葉が何度も繰り返される。予想もしなかった出来事で、人生は一瞬のうちに暗転する。義経にとっての「まさか」は、突然、意識不明の重体になった恋人の前野静(松本まりか)であり、大木薙(森田想)の場合は父親の追放だった。不運な事故に見える「まさか」は偶然ではなく、人為的な原因があった。

 学園ドラマでは、スクールカースト上位の生徒集団が主人公の前に立ちはだかることが多い。『花より男子』(TBS系)で松本潤や小栗旬、松田翔太らが演じた「F4」や、広瀬すずの連続ドラマ初主演作『学校のカイダン』(日本テレビ系)の「プラチナ8」が知られているが、同じ役割を生徒会が担うこともある。ひと昔前に不良が担っていたポジションは、現在では富裕層や優等生のものになっている。

 『先生を消す方程式。』で義経と対決するのが3年D組を仕切る「4C」だ。Cはセレブの頭文字。藤原刀矢(高橋文哉)、長井弓(久保田紗友)、薙、剣力(高橋侃)の4人は、親が検察トップや有名女医、会社社長のセレブ家庭に育ち、学校に献金するなど、強い影響力を持つ。担任の教師たちが辞めさせられた陰には4Cの存在があった。

 その4Cと裏でつながり、糸を引いているのが副担任の頼田朝日(山田裕貴)だ。前回ラストで頼田は刀矢たちと相談し、義経を消すことを決定。義経と一緒にいる時とそうでない時の頼田は別人と言っていいほどで、狂気じみた山田の怪演は、フライングドラマ『頼田朝日の方程式。-最凶の授業-』(ABEMAプレミアム)でも話題になった。頼田の指示で最初の「義経を消す方程式」が発動する。

 父親が社長を追われ、セレブから転落した薙は、弓に「私たちと一緒のステージにはいられなくなる」と告げられる。弓の友達じゃなくなることは、スクールカーストから外れることを意味する。頼田は、薙の恐怖につけこんで義経を殺すようにそそのかす。薙は、刀矢や弓の友達でいたい一心で義経の背中を押した。

 頼田の目論見どおり、義経は階段から転落。重傷を負ってしまうのだが、ここからが義経の独壇場なのは、第1話と同じだ。違うのは義経の話に登場する生徒が、1人ではなく2人であること。静を階段から突き落としたいじめられっ子のA君と、父親が追放されて仲間外れにされそうなA子。A君がしたように、A子も担任の教師を殺そうとする。

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