上野樹里が語る、『監察医 朝顔』のライブ感 「自分が最後のトッピングみたいなもの」

上野樹里が語る、『監察医 朝顔』のライブ感

「自分が最後のトッピングみたいなもの」

――料理のシーン、食べるシーンが多いことも特徴的ですね。そこがホームドラマとしてのリアリティでもありますが、食を描くことについて心がけていることは?

上野:食べて良いときは普通に食べるんですけど、今はコロナ禍の影響で前回より制約があるんです。でも、ちゃんと火を入れて自分で調理して、火がコトコトしてきてからカメラを回したり、セリフの間に器に注いで、桑原くんがササッとそれを持って行ってくれたり、お父さんが並べてくれたりという一連の流れは、大切にしています。そういう連携が生活感が滲み出るところだから。「ご飯を一緒に食べる」という行為は皆さんが日常でやっていることだと思うし、会話だけでなく画的にも、日常の1シーンとして大事にしていることですね。

――第1シーズンでも、連携プレーのスムーズさは、普通の家庭の普通の日々をのぞき見するような気分になるポイントでした。役割分担など事前に話し合われているんですか?

上野:やりながら勝手に動いて、「これ誰がやる?」「私がやる」とか、「お茶注ぐのは○○のほうがやっていそうじゃない?」「これを持ってくほうが、△△のキャラっぽくない?」「お茶はこの人が持ってくけど、注ぐのはこの人」とかもあります。自分がどこにいるかの位置や、セリフの内容的に手が空いている人など、自然に間を埋められるようになってきていて、一番しっくりくるかたちで本番を撮っているかたちです。そこはそんなに時間はかからなくて、第1シーズンからの関係性ができていこともあるかもしれないですね。

――ところで、『監察医 朝顔』は、『のだめカンタービレ』(以下、『のだめ』)以来13年ぶりの“月9”主演作でしたが、奇しくもコロナ禍で『のだめ』が再放送され、話題になりましたね。

上野:「観てまーす!」とか、そういう声はファンの皆様から届いていて。ありがたいですね。

――上野さんについてよく“憑依系”と言う人がいます。ご自身が役を演じる上で大事にされているのはどんなことですか?

上野:「憑依」って、乗り移るってことですよね? そんなことできたら、無敵じゃないですか(笑)。映像は、「よーい!」「カット!」っていう時間があって、その時間に全員の最高を出し切るもの。制作さんやいろんな人がその空間にいて、照明も音声もカメラも演者も、全員の士気が高まることで、どんな場所でも「その世界に存在する場所」にしてもらえているんです。自分一人でロケ現場に行っても、車が通っていたり、人が歩いていたりして、その世界にはなっていないけど、それを作って守ってくれる人がいて、表現する場所がちゃんとできているから、朝顔になれる。みんなの作っている空気をいただくというか。みんなの力で、その世界の最高の状態を作ってもらうわけだから、あとは出すだけです。自分が最後のトッピングみたいなもので。そのトッピングがグチャッと潰れていたら、そこまでに世界を作ってくれているみんなに悪いじゃないですか。

――「役者の仕事は受け身」と、過去のインタビューでおっしゃっていましたが、それぞれ専門の方々が力を持ち寄り、作り上げた世界を、全部受け止められるようにしているということでしょうか?

上野:そこまで考えているわけではないですけど、照明でも、カメラでも、無意識に感じ取っている世界があると思うんです。「こういう画になるだろうな」という感覚はあって、暗い照明だったら、なんとなく暗い気持ちになるし、明るい照明だったら、なんとなく楽しい気持ちになったりするし。作られた世界の中でどういう風に自分が動くかであって、決して一人でやっているわけじゃない。自分はどういう風にでも演出されるものですから。それに、大事なシーンでは、ピリッとすることはないけど、目に見えないもののつながりみたいなものを感じるんですよ。みんなのエネルギーが充満しているから、すごく良いお芝居ができることもある。自分一人で背負っちゃうんじゃなく、そこにいるみんなの力で作るということを意識すると、より良い作品を作れる気がするし、『監察医 朝顔』はそういう作品だなあと思います。

――朝顔は今の時代に癒しをくれるような作品だと思いますが、上野さんご自身にとって癒しや元気をもらえる存在は何でしょうか?

上野:ペットとか、着心地の良い服、天然素材のベッドリネンとか、太陽で干した洗濯物とか。美味しいご飯が食べられてあったかいお風呂に入れて、日差しにポカポカあたれて、リラックスして良い音楽が聴けてとか。特別なものがなくてすみませんって感じですが(笑)。そういう自分自身のリラクゼーションタイムや、家族やおうち、そういうものがあれば良いと思っています。

■放送情報
『監察医 朝顔』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00〜放送
(2020年秋・2021年冬2クール連続)
出演:上野樹里、時任三郎、風間俊介、志田未来、中尾明慶、森本慎太郎(SixTONES)、藤原季節、斉藤陽一郎、坂ノ上茜、田川隼嗣、宮本茉由、辰巳雄大(ふぉ〜ゆ〜)、加藤柚凪、戸次重幸、平岩紙、三宅弘城、杉本哲太、板尾創路、山口智子、柄本明ほか
原作:『監察医 朝顔』(実業之日本社)
脚本:根本ノンジ
プロデュース:金城綾香
演出:平野眞、阿部雅和
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ

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