小沢真珠が語る、『牡丹と薔薇』でのイメージへの本音 『ルパンの娘』悦子役も転機に
「楽しい世界に行ける、という喜び」
――悦子を演じる上で、大事にしていることを教えてください。
小沢:感情の振り幅を大きくすることです。ひとつひとつの出来事に、人以上に感動したり、悲しんだり。疲れてくるとそれが難しくなるけど、そこがバロメーターになってくるので、いつも元気でいないと悦子はできないなと思っています。
――演じる上で大変なのは、やはりテンションを上げることですか?
小沢:逆を言うと、テンションさえ上げてしまえばサーッと流れていくので、難しいこともクリアできる。渡部(篤郎)さんみたいな繊細なお芝居をされる方と比べたら、テンションを上げればいいので……(笑)。ただ、シーズン2になって、渡部さん(演じる尊)と初めてケンカがあったり、今までにない出来事も増えているので、シチュエーションが変わるごとに一個一個大変ではありますね。
――小沢さんのお話を聞いて、楽しんで演じられていることが伝わってきます。
小沢:本当に脚本がおもしろいので、まずは本を読むのが楽しみです。それでふと、「あ、これ自分がやるんだ」と思い出したりして(笑)。楽しい世界に行ける、という喜びはありますね。
――視聴者として物語を楽しませてもらっていますが、小沢さんが「こんな作り方をしているから、魅力的になっているのでは」と内側から感じるおもしろさはありますか?
小沢:私たちがおもしろいと感じているところは、みなさんも観ていておもしろいと感じてくれているんだろうなと思っています。演出でいうと、世界観や脚本が日常離れしていて、セリフ自体がコントみたいにおもしろいところもあるので、逆に現場ではふざけず、すごく真剣にやっているということはありますね。笑わせようするのではなく、「お笑いに見えちゃうから」と、あえて抑えたり。監督からリアルさを指摘されたりもするので、そういうところは観ている方にどう届いているかな? と思っています。
――そのリアリティが、きっとおもしろさに繋がっているんですね。ドラマでは、泥棒スーツ姿も印象的です。初めて見た時のことを覚えていますか?
小沢:すごくカッコいいなと思いました。最初はロケをしていても、みんなで「これで外を歩くって……泥棒スーツだよ!?」みたいな雰囲気がありましたが、今はまったくなくて、堂々と歩いています(笑)。
――1年ぶりに、泥棒スーツを着た感想は?
小沢:泥棒スーツはぴったりなので、自分の体型の変化がすごくわかるんです。(前作を撮影していた)3カ月くらいの間は、なんとか見て見ぬふりができていたんですけど、1年経つとそうはいかなくて、要所要所直しました。どんぐりさんも「大丈夫かな」と心配されていたりして、女子に体型を気にさせるスーツです(笑)。
――(笑)。それでも、あのスーツを着ると気分が上がりそうです。
小沢:そうですね。私はアクションがあまりないですけど、普通の洋服でやるよりは、ちょっと機敏になれるような気がしています。
――現場の雰囲気も、とてもよさそうですね。
小沢:パート1よりパート2のほうが、さらに良くなっている気がします。意外と、「続編をやったことがない」という方が多くて。「またみんなで一緒にやれる」という気持ちもあるのかもしれないですね。
――小沢さんは、どのように共演者との仲を深めていらっしゃいますか?
小沢:みなさん本当に、ふだんからおもしろいんですよ。なので、私はそれを聞いて笑っています。とくに渡部さんのエピソードは、おもしろすぎて(笑)。本番前まで、みなさんのお話を聞いて、笑って、温まることで、よりお芝居にのることができています。
――深田さんとはどんなお話を?
小沢:恭子ちゃんとは、本当に日常の話です。子どものこととかを聞いてくれるので、本当に他愛ない話ですね。「昨日、何食べた?」というレベルのお話です(笑)。
――(笑)。続編の撮影で、印象的だったエピソードはありますか?
小沢:なんだろうなぁ……毎日のことなので、良い意味で忘れていく感じなんですよ。今のところ、ハプニングも特になく、順調に進んでいます。
――先ほど「小沢さんの歌収録」があると聞いて、歌とは!? と思っております。
小沢:たしかに、そういう個人的なハプニングはありますね(笑)。「私が歌うの!?」って。毎回毎回、意外な展開があるので、逆に現場ではみんなゆる~い感じで穏やかに過ごしています。溜めておかないと、あのテンションでやれないのかもしれないです(笑)。