『麒麟がくる』明智光秀が飲み干した、今井宗久のたてた茶 駒と12年ぶりの再会も

『麒麟がくる』光秀と駒の12年ぶりの再会

 京で12年ぶりの再会を果たす明智光秀(長谷川博己)と駒(門脇麦)だが、これをきっかけに義昭の上洛は思いもよらぬかたちで遂げられる。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』第27回は「宗久の約束」と題され、駒が今井宗久(陣内孝則)と光秀を引き合わせ、ある「約束」を交わさせた。

 足利義昭(滝藤賢一)の一行は、信長(染谷将太)の元に到着する。信長から金品を献上された義昭だが、信長が“戦のために”と用意した一千貫(現在では1億5000万円程度)の大金を前に「これだけあれば1万の貧しき民が一月は過ごせよう」と感動に声を震わせるのだった。長く仏門にいた故に、義昭はまだ将軍としての自覚が不十分である。その姿に信長は不満を漏らすが、それでも光秀と共に“大きな世”を作るためにと今後の策を練る。先に京にいた木下藤吉郎(佐々木蔵之介)と合流し、京の内情を探ることを光秀に命じた。

 久しぶりの登場となった藤吉郎は相変わらず声が大きく快活そうに見せつつも、その眼光は鋭かった。信長とは気が合うようで、無理難題をふっかけてくるが、それができた時は「褒めてくださる」と嬉しそうに語る。この言葉は信長がかつて帰蝶のことを語る上で同じように「何をしても褒めてくれる」と話したことを想起させた。自身の背景もあり、信長は家臣に対してもしっかり“褒美”を与えることを重視していることが伺える。

 その後、光秀は駒と12年ぶりの再会を果たす。だが、義昭上洛に関しての朝廷の意向を探るために伊呂波太夫(尾野真千子)と会いたいと話す光秀に、駒は難色を示す。京が戦によりまた火に包まれ、多くの人が家を焼かれ、巻き添えになるかもしれないと危惧していたのだ。駒の生い立ちを思うと痛いほど気持ちがわかる。その後、駒の計らいで光秀は太夫、そして宗久へと会いにいくことになる。宗久は光秀に「京の町に火をかけない」「堺は守る」「上洛の際に兜鎧を付けないこと」を3つの条件として、これをのむなら三好から手を引くと伝えた。宗久のたてた茶をぐいと飲み干す光秀の姿からは、正に“条件”を飲(呑)むという意思が示唆されているのだろう。

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