“映画の都”ロサンゼルスで映画が観られない! ドライブインシアター好調でも先行きは不透明

LAの映画館の先行きは不透明!?

 9月11日、ワーナーは10月2日に公開を予定していた『ワンダーウーマン 1984』を12月25日公開へと後ろ倒しにすることを発表。また、Variety誌の報道によると、ディズニーは11月6日公開予定の『ブラック・ウィドウ』の公開を延期、11月20日公開予定の『ソウルフル・ワールド』を『ムーラン』同様ディズニー・プラスでの配信に移行する準備があるという。映画の興行アナリストの読みでは、スタジオが高額の制作費をかけたテントポール作品(スタジオの屋台骨となる大型作品)は、主要市場であるニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどの映画館がフルキャパシティで開館できるまで公開を待つべきだとの見解を示している。大型作品は制作費だけでなく、宣伝・マーケティング費用に制作費と同額くらいの予算がかかることから、損益分岐点がどうしても高くなる。プレミアの翌日にヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞した『ノマドランド』は、派手な宣伝やマーケティングよりも、映画祭の冠と評判でじわじわと観客動員数を伸ばしていくタイプで、『TENET テネット』や『ブラック・ウィドウ」とは戦略が異なる。テントポール作品は公開館数も多いため、数ヶ月から数週間先の公開日にどれだけの都市で劇場が再開できているのか、コロナウイルスの第二波はやって来るのか、そして観客心理はどうなっているのか、周到に状況を読まなくてはならない。さらに、『ブラック・ウィドウ』公開日の11月6日、『ソウルフル・ワールド』やMGMの『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開日である11月20日は、大統領選直後だ。2020年のハリウッドはまだ混乱の最中で、コロナウイルス以上に11月3日の選挙以降のアメリカの状況を想定するのは難しい。

参考

https://www.natoonline.org/wp-content/uploads/2020/09/9-15-2020-NATO-COVID-19-State-Government-Relations-Report.pdf
https://variety.com/2020/film/news/black-widow-release-date-delay-soul-disney-plus-1234769426/

■平井伊都子
ロサンゼルス在住映画ライター。在ロサンゼルス総領事館にて3年間の任期付外交官を経て、映画業界に復帰。



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