朗読劇で実現した『半沢直樹』の後日談 尾上松也「今度は顔芸を入れたい」

朗読劇で実現した『半沢直樹』の後日談 尾上松也「今度は顔芸を入れたい」

 毎話20%超えの視聴率を叩き出し、6日の生放送特番でも22.2%(ビデオリサーチ調べ、世帯視聴率・関東地区)を記録。飛ぶ鳥を落とす勢いのドラマ『半沢直樹』(TBS)が、9月12日、13日2日限定のスペシャル企画“恩返しエンターテインメント”として、朗読劇『半沢直樹』を開催した。初回の9月12日14時回は、前半戦の「電脳雑伎集団による東京スパイラル買収」劇を盛り上げた南野陽子(平山美幸役)と土田英生(平山一正役)、尾上松也(瀬名洋介役)と山崎銀之丞(広重多加夫役)の2組が登場。伊集院光を加えてのトークショーも行われた。

 2013年に池井戸潤の人気小説シリーズを、堺雅人主演によりドラマ化して大好評を博し、現在は続編を放送中の『半沢直樹』。堺や上戸彩、香川照之、及川光博、片岡愛之助、北大路欣也といった前作より続くレギュラー陣に加え、2020年版では、よりゲスト陣の熱演が話題になっている。

南野×土田、意地っ張りなふたりの切ない想いを描く『黒い二人の日記帳』

南野陽子と土田英生

 南野×土田による朗読劇『黒い二人の日記帳』の脚本は、劇作家、演出家でもある土田が担当。半沢の手により粉飾が暴かれ、すべてを失った平山夫婦のその後の物語が綴られた。黒の衣装で現れた美幸と一正。有罪判決を受けたふたりは離婚し、それぞれに落ちぶれた日々を送っていたが、ある時、町の定食屋で再会する。今度はまっとうになって東京中央銀行に復讐してやろうと新たな事業を立ち上げるも、事は思うようには運ばず、ふたりはまた喧嘩別れしてしまう……。そんなとき、彼らを引き寄せたのは、かつて美幸が一正にプレゼントした、おそろいの日記だった。

 どこまでも意地っ張りなふたりが繰り広げる丁々発止のやりとりに、会場からは笑いが幾度も沸き起こった。なかには、美幸が、セントラル証券の森山を演じた賀来賢人に書類を投げつけた話題のシーンをなぞったくだりも! また美幸のねっとりとした関西弁も健在。プライドが高く、不器用なふたりに呆れつつ、素直になれずに虚勢を張って生きてきた大人たちの切なさや、互いを思う本当の気持ちが次第に滲み出し、ラストは温かな気持ちが会場を包んだ。互いに欠点はあるけれど、どこか愛すべき美幸と一正を演じたふたりが、息ぴったりの好演で引き込んだ。

尾上×山崎、あの日の数日前へタイムスリップ!? 『繰り返される時…』

山崎銀之丞と尾上松也

 続く尾上×山崎の『繰り返される時…』(脚本:粟島瑞丸)は、まさかのタイムトラベルコメディとなった。ドラマ版で、裏切られ続きであまりに可哀そうだと同情を浴びながらも、半沢によって救われたスパイラルの社長・瀬名と、スパイラルにアドバイザーとして潜入して裏切り、半沢に完敗してボロボロになった大洋証券の広重。ここでは無職になった広重と、瀬名との再会が描かれたのだが、これが一風変わった設定に。

 職業安定所に通う広重は、そこで不思議な職員のトキタ(尾上が朗読)から、ある書類を渡され、例の事件が起きた数日前にタイムスリップする。過去に戻った広重は、真面目な道を歩み直そうとするのではなく、今度こそ買収を成功させようと試み、そのたびに半沢によって計画を暴かれるという過去を幾度も繰り返す。尾上は瀬名役だけでなく、不思議キャラのトキタさんを楽し気に好演。山崎は代名詞となった“上ずり声”をここでも披露。ふたりの芸達者ぶりが際立つ朗読劇となった。さんざん笑ったあと、瀬名の“父の万年筆”に重なる、広重の“父のオーダーメイドスーツ”の思い出が語られ、最後は、広重が前へと一歩を進みだしたところで幕となった。

 ドラマの名場面を後方スクリーンに映し出す演出を差し込みながら、山根基世のナレーションと服部隆之による音楽とともに繰り広げられた『半沢直樹』スピンオフ朗読劇は、また違った色で観客を存分に魅了した。

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