『エール』久志を支える“2人の女性” 山崎育三郎と古川雄大の掛け合いにも注目

『エール』久志を支える“2人の女性” 山崎育三郎と古川雄大の掛け合いにも注目

 第1話から再放送中のNHKの連続テレビ小説『エール』。9月7日からは、第13週『スター発掘オーディション』が放送され、9月12日には、9月14日からの放送再開を記念して『いよいよ来週から!連続テレビ小説「エール」再開SP』が放送される。

 安定した作曲家生活を送るようになった裕一(窪田正孝)は、廿日市(古田新太)からオーディションで発掘する新人歌手のデビュー曲の作曲を依頼される。裕一は、いまだ歌手デビューできていない久志(山崎育三郎)にオーディションへの応募を勧める。

久志の父の再婚相手・佐藤玲子(黒川芽以)

 第62回では、久志が音楽の道へ進むことになったきっかけが描かれる。そこで登場するのが、黒川芽以演じる久志の父の再婚相手・佐藤玲子だ。久志(山口太幹)は新しくやってきた母・玲子に馴染めず、どこかよそよそしい。しかし玲子はそんな久志に優しく接する。

 黒川のさりげない目の運びや口元の動きから、久志の複雑な心境を理解しながらも、母として彼をあたたかく見守ろうとする玲子の優しさが伝わってくる。気遣うような台詞回しもまた、玲子が母として振る舞っているのではなく、久志との関係に悩みながらも母として向き合おうとする、彼女の愛情深さを感じさせる。

 第62回の終盤、今まで「玲子さん」とよそよそしく呼んでいた久志が、彼女のことを「お母さん」と呼ぶ。玲子は帰ってこない久志を心配し、ずっと険しい顔をしていたが、「お母さん」と呼ばれ、柔らかな笑顔を見せる。黒川の、生みの母を想い続ける息子に向き合う繊細な心情表現によって、ほんの数分のやりとりだが、久志と玲子の関係が変わったことが、決して仰々しくなく、けれど確実に伝わる名シーンとなっている。

久志を心配する女中・幸代(池津祥子)

 第62回でもう一人注目したい人物がいる。それが、池津祥子演じる佐藤家の女中・幸代だ。幸代は久志を心配しながらも、甘やかすようなことはしない。生みの母からの手紙が捨てられないよう、隠し場所を助言した幸代だが、玲子とうまくいっていない久志が意固地になった時には、久志の不満そうな言葉を聞き入れた後で「では、いいかげんご自分でそう仰いまし」とピシャリ。

 佐藤家を誰よりも見つめてきたであろう幸代の厳しくも優しい姿はSNS上でも話題になっており、「久志が『お母さん』と呼んだあとの池津祥子さんのホッとしたような顔が好き」との声もあがっていた。

 今週のおすすめシーンは、久志と御手洗先生(古川雄大)の掛け合い。第13週は久志が主人公だが、御手洗先生はもう一人の主人公ともいえる。喫茶バンブーで出会うや否やライバル心剥き出しな二人が「スター御手洗です」「プリンス久志だ」と派手に自己紹介をし合うシーンは笑ってしまうこと請け合いだ。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)予定
※6月29日より第1回から再放送中
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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