『竜の道』『極主夫道』と立て続けにドラマ主演 “不惑”を迎えた玉木宏がひた走る役者道

『竜の道』『極主夫道』と立て続けにドラマ主演 “不惑”を迎えた玉木宏がひた走る役者道

 現在放送中の『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ・フジテレビ系、火曜21時~)で、主演を務めている玉木宏。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け放送が延期になっていたが、7月28日より満を持しての開始となった。本作は、白川道原作の未完のハードボイルド小説をもとにしたサスペンスドラマ。悪質な乗っ取りで、養父母を自殺に追いやったとある大企業の社長を相手に、双子の兄弟が復讐劇を繰り広げていく。整形手術で顔を変え、別人として生きる兄・竜一を玉木が、国交省のエリート官僚に上りつめた弟の竜二を高橋が演じ、ふたりの緊張感のある掛け合いも見どころのひとつ。とりわけ、玉木は表向きはやり手のITコンサルタント、裏では悪の世界に通じ汚れ仕事も辞さない復讐の鬼と化し、その実、最愛の妹を陰ながら見守る兄という3つの顔を演じ分けるアクロバティックな演技を披露。複雑な人物像に挑んでいる。

 玉木は本作が記念すべき通算20作目の主演ドラマとなるという。18歳で役者デビュー後、 “イケメン俳優”として数々の映画やドラマに主演してきた。180センチの長身と端正な顔立ちから、『恋愛小説』(WOWOW)、映画『雨鱒の川』、映画『ただ、君を愛してる』など、当時トレンドでもあった純愛ドラマに立て続けに出演。理想の男性像を体現した。その人気を決定付けたのは、二ノ宮知子原作の人気コミックを実写化した『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)で演じた千秋真一役だろう。天性のピアノの才能を持ちながら、ぶっ飛んだ性格の不思議少女・野田恵(上野樹里)に翻弄されるエリート音大生の役で、コミカルな演技にも開眼。容姿端麗、頭脳明晰な完璧主義者でありながら、奔放なのだめに惹かれていくギャップのある人物を見事に演じた。そんな3枚目的役柄は『鹿男あをによし』(フジテレビ系)や『ラブシャッフル』(TBS系)などにも活かされることに。加えてNHK大河ドラマ『篤姫』や『平清盛』、映画『幕末高校生』などの時代劇から、映画『真夏のオリオン』といったシリアスな人間ドラマ、『砂の器』(テレビ朝日系)や『レベル7』(TBS系)などの名作ミステリーの実写化まで、幅広いジャンルの作品に出演し、キャリアを積み重ねてきた。

 近年、印象的なのは『残念な夫。』(フジテレビ系)、あなたには帰る家がある』(TBS系)などで見せた夫の役だろうか。いずれも結婚生活の中で起こる夫婦のすれ違いをテーマにした作品だったが、玉木の顔立ちの良さゆえか悲壮感や頼りなさが際立ち、不思議なリアリティが感じられた。

 そして、そんな柔和な“旦那さま”のイメージが功を奏した作品と言えば、NHK朝ドラ『あさが来た』だ。実業家としてバリバリ働く妻・白岡あさ(波瑠)を支える理解ある夫・新次郎役は、逆“内助の功”とも言うべき存在で、現代の働く女性たちの理想を体現して見せた。ヒロインを輝かせるエスコート的な役割ながら、大人の色気とジェントルな上品さを併せ持つ芝居はまさに、玉木宏の真骨頂。あるインタビューで「昔は尖った部分も必要だから常に前に出ようと意識していましたが、もともとそういうタイプではないので、20代後半のあたりからマイペースでもいいかなと、少しずつ肩の力を抜いてやってきました。…この年齢になって初めて、自分らしさが表現できるようになったりもしますし。これが大人になったということなのかもしれません」(引用:玉木宏インタビュー「この年齢になって初めて、自分らしさが表現できるようになった」 | Numero TOKYO)と語っているが、そんなスタンスが遺憾なく発揮された、ハマり役だったように思う。

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