『アンサング・シンデレラ』井之脇海がたどり着いた答え 医者と薬剤師、親と子の確執が交差
萬津総合病院に入院してきたのは、羽倉龍之介(井之脇海)の父親の龍一(菅原大吉)だった。そこには“医者”対“薬剤師”、そして“親”対“子”の確執が交差した複雑な問題が影を落としていた。『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)の第4話では、龍之介の過去と彼の薬剤師の仕事についての想いが描かれる。
龍之介は薬剤部のムードメーカー、いつも明るく穏やかに振る舞い、薬剤部のメンバーの癒しともいえる存在であった。だが、父親の龍一が萬津総合病院に入院してきたことで、母親の志帆(宮田早苗)が薬剤部まで挨拶に来る。もともと父との間に確執のあった龍之介は、母親から父親に会うように促されるが、「余計なことすんなって!」と声を荒げるのであった。龍之介の意外な一面に薬剤部のメンバーも困惑。さらに龍一は脳神経外科界の権威で、関東薬事連盟の理事選の投票権を持っている。そのことで、医師や薬剤部部長の販田(真矢ミキ)まで龍之介にゴマをすり、父親を紹介してもらおうとするのであった。
医学部受験を失敗、それでも医療に関わりたいとの思いから薬剤師になった龍之介だが、父と衝突を繰り返す。第4話では、医療の世界における医師の立場の強さというものを改めて感じさせるシーンが数多くあった。そして憧れていた父から拒絶される苦しみを乗り越え、薬剤師になった龍之介の背景が明かされた。今回もみどり(石原さとみ)は患者への“お節介”を繰り返しながら、問題解決に務める。龍一の容態が、病気ではなく薬の多剤服用であったことを突き止めたのだ。今からでも龍之介に医師になってもらい、病院をついでほしいと考えていた龍一だったが、龍之介はみどりが患者のために努力する姿を見て、改めて薬剤師として頑張っていくことを堂々と父に伝え、2人は和解する。これは龍之介にとって医師を目指した理由ともなる「患者を救いたい」という想いを、薬剤師の仕事を通して叶えられると答えが出たとも言えるだろう。こうしてみどりの行動が、院内の空気を少しずつ変えていく。