『鍵のかかった部屋』“真の密室ミステリー”に 第一発見者・大野智はトリックをどう見破った?

『鍵のかかった部屋』“真の密室ミステリー”に

 結論から言えば、副社長と一悶着起こした野々垣が口封じのために企てたことであり、そのトリックがあまりにも用意周到で、かつ大胆さをカバーできるだけの高度な心理テクニックが駆使される。八田が娘と水鉄砲で遊んでいることから着想し、本物の拳銃を改造して水鉄砲を作る。そこに日本酒を入れて一度八田に向けてそれを放ち、さらに本人に持たせる。そして後々本物とすり替えて八田が自ら銃を口に向けて撃つことを仕向ける。はたしてこのトリックが本当に実現可能なのかどうかというのを考えるのは些か無粋ではあるが、少なくとも犯人役を演じたのが哀川翔というだけで、その貫禄と茶目っ気も相まってか、不思議なほどに説得力が生じるのだから流石である。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『鍵のかかった部屋 特別編』
フジテレビ系にて
第7話:6月22日(月)21:00~21:54
第8話:6月29日(月)21:00~21:54
出演:大野智、戸田恵梨香、佐藤浩市ほか
原作:貴志祐介『鍵のかかった部屋』『狐火の家』『硝子のハンマー』(角川文庫)
脚本:相沢友子ほか
演出:松山博昭、加藤裕将、石井祐介
プロデュース:小原一隆
協力プロデュース:中野利幸
制作著作:フジテレビ
(c)フジテレビ

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる