休業明け、いきなり新作公開ラッシュ 今こそ映画館に行こう

休業明け、いきなり新作公開ラッシュ 今こそ映画館に行こう

 大手シネコンチェーンのTOHOシネマズ、109シネマズが、休業を続けてきた都内及び関東圏のスクリーンを6月5日(金)から営業再開すると発表。これによって、早いところでは2月末から続いてきた「映画館が閉まる」という異常事態は、約3ヶ月ぶりにほぼ収束したことになる。もちろん、新型コロナウイルスの収束についてはまだ先が見えない状態が続いているので、映画興行は万全なウイルス対策とともに一歩ずつ平常化までの道を前進していくしかない。現在のところ、各クラウドファンディングなどのサポートもあって、今回の事態を受けての映画館の閉館や廃業の知らせは限定的なものとなってはいるが、各映画館の経営の本当の正念場はここからだ。

 弊サイトを含め、現在、各映画メディアが大わらわとなっているのは、3月以降「公開延期、近日公開」となっていた新作への対応だ。日本全国の映画館の本格的な再開を受けて、先週から今週にかけて数多くの新作が新たな公開日を発表した。月曜日というイレギュラーな公開日である6月1日に公開された新作は7作。6月5日(金)に公開される新作は15作。6月6日(土)に公開される新作は6作。6月8日(月)に公開される新作は1作。6月12日(金)に公開される新作は15作。6月13日(土)に公開される新作は4作。6月19日(金)以降も多くの作品の公開が控えていて、今週までの新作不足から一転、いきなり新作供給過多の状況となっているのだ。この時期、大作の新作は公開が見送られているために、作品によっては当初予定されていたスクリーン数よりも多くのスクリーンで公開される作品もあるが、各スクリーンの定員はウイルス対策のため上限が低く設定されている。プラスマイナスでいえば、やはりマイナスだろう。

 メジャー大作以外の作品の公開がこのような時期に集中することによって危惧されるのは、メディアを通しての各作品の周知が行き届かないことだ。ただでさえインディペンデント系作品は宣伝予算も試写の回数も少ないわけだが、パンデミック以前にプロモーションをスタートさせていた作品はこの3ヶ月の空白でほとんどその効果が消えていて、新たにプロモーションを展開させる余力がない。そして、パンデミックにプロモーションの予定時期が重なってしまった作品の中には、ほとんどなんの前宣伝もなく公開されてしまう作品もある。特に紙メディアに関しては締め切りの都合で、当該作品の関連記事のほとんどが「近日公開」と掲載されていて、作品に興味を持っていた人も気がつかないうちに公開が終わっているようなことになりかねない。

 通常、本コラムはあくまで興行分析をする場所で、各作品の評価については(行間からにじみ出ることはあっても)できるだけ触れないようにしてきたが、ウェブメディアの特性を活かし、今回は6月上旬公開のオススメ作品をここに列記しておく。公開中の作品では内藤瑛亮監督の『許された子どもたち』、6月5日公開の作品ではジュリアス・オナー監督の『ルース・エドガー』(参考:社会派サスペンスの秀作『ルース・エドガー』 その「社会派」と「サスペンス」の意味を深掘りする)、ケイシー・レモンズ監督の『ハリエット』、ジム・ジャームッシュ監督新作の『デッド・ドント・ダイ』、名優キム・ヨンソクの監督デビュー作『未成年』、メイ・エル・トーキー監督の『罪と女王』、6月6日公開の作品では『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』で話題を呼んだビー・ガン監督のデビュー作『凱里ブルース』。もちろん他にも注目すべき作品もあるだろうが、特に映画ファンの皆さんはこのあたりの作品を見逃がさないよう。

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