『素敵な選TAXI』貫地谷しほりのエピソードが説く“教訓” 清野菜名のアクションも炸裂!

『素敵な選TAXI』が説く、ある“教訓”

 5月26日に放送された『素敵な選TAXI 特別編』(カンテレ・フジテレビ系)。先週から放送されるようになった竹野内豊とバカリズムの対談で、今回語られたのは「タイムスリップ感」について。バカリズム自身も「“タイムスリップ大喜利”みたいになった」と苦笑いで振り返っていた通り、これまでのエピソードでも効果音が加わったりゴーグルが配られたりといった演出が。今回放送された第7話では、新たに飛行機さながらの注意喚起映像が登場。はたして、それを観ている時間分の料金はサービスされるのだろうかとついつい気になってしまう。

 さて、第7話は貫地谷しほりをゲストに迎えた「嘘と真の選TAXI」。パワースポットを探しに田舎町にやってきた枝分は、そこで地元のレディースに絡まれてしまい、偶然帰郷していた元レディースの総長・真理(貫地谷しほり)に助けられる。大手企業のCEOの内藤(葛山信吾)と結婚が決まって両親に挨拶に来た真理は、レディースだった過去を内藤に隠していたのだが、実家で両親に会うやそのことがバレてしまう。怒って帰ってしまった内藤を追いかけるために選TAXIに乗り込んだ真理は、枝分の勧めで実家に入る直前の時間までタイムスリップをすることに。

 最初に過去に戻るタイミングで、真理は「10年前に戻って人生をやり直すこともできる?」と、そもそもレディースに加入する以前まで戻ることはできないかと訊ねる。それに対する枝分の回答は「できる」「けど、おすすめはしない」という消極的なものだった。そして「良いことも悪いことも含め、めぐり合わせが重なって、いまが成り立っている」ことを説き、人生を根底から変えるためにはリスクも覚悟しなくてはならないのだと真剣な面持ちで語るのである。

 タイムトラベルものの鉄則として常に存在している大原則は「過去を変えたら未来は変わる」ということ。このドラマにおいても、少し前の過去を変えることで一度失敗した未来を方向転換しようする人々が描かれているわけだが、いずれもが新たなトラブルに見舞われてしまい、もっとシンプルに発生した出来事の根源へと立ち返ることを余儀なくされる。そうした“教訓”ともいえるものが、このエピソードでは実に丁寧に描かれていると見える。それは最終的に選TAXIで過去に戻らず、すでに起きてしまった時間の中で“取り返しがつく”ことを取り返していくということ。“選TAXI”の存在意義を自ら覆すことで、物語の持つ“教訓”がより効果的に描かれるというわけだ。

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