千葉雄大と伊藤沙莉は最高のコンビだった 『いいね!光源氏くん』が描いた自分自身と向き合うこと

『いいね!光源氏くん』納得の最終回に

 よるドラ『いいね!光源氏くん』(NHK総合)が、5月23日に最終回を迎えた。本作は、『源氏物語』の光源氏(千葉雄大)が現代に生きるこじらせOL・沙織(伊藤沙莉)の前に現れるという、奇想天外なラブコメディ。

 第七絵巻「ばっくとぅ京都?」で「『源氏物語』の中であなたが愛した女の人は誰一人幸せになってないから!」と光に言い放った沙織。最終絵巻「光くんばいばい?!」では、沙織との気まずい空気を打開しようと光が中将(桐山漣)を誘って居酒屋で酒をともにする。女心とは大概が本音の裏返しであると教えられた光は、「たった一人だけでも幸せにしてやれればいい」と沙織への思いを固めた。

 互いに大事な話があるという光と沙織。光の願いはこれからも現代にいたい。しかし、フィリップ(厚切りジェイソン)から源氏物語の世界に戻る方法を知った沙織は、光を元の世界に戻すことを決心していた。「私がいるのは今ここなのだから」「私はここでそなたと暮らしたい」という光に対して、沙織の返答は「あなたとは暮らせません」「あなたのことが嫌いだから」という光の幸せを思っての“裏腹”な決断であった。涙ながらに説得する光に沙織は「近いうちに出てってくれないかな」と突き返す。離れていく手と手。行き違った2人の思いが切ない。

 沙織は最後に光をデートに誘う。それは「男女が離れ離れになる前にする儀式」であり、次元ジャンプで光をもとの世界に帰すための口実だった。抹茶ラテフロートを飲み、もんじゃを仲良く食べる2人。沙織は光が大切にしてきた場所、つまり平安の都を強くイメージさせ、タイムワープの準備を始める。道路に飛び出した沙織を再び守ろうとした光は元の世界に帰って行った。

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