比嘉愛未は“時代の女神”!? 『レンタルなんもしない人』にもたらす“もう一つの癒し”

『レンタルなんもしない人』比嘉愛未の癒し

 NEWS・増田貴久主演のドラマ『レンタルなんもしない人』(テレビ東京系)での、比嘉愛未の素敵な奥さんぶりが話題となっている。新型コロナウイルスで外出自粛の今、『レンタルなんもしない人』のレンタルさんに癒される人が相次いでいるが、比嘉もレンタルさん同様、視聴者の「癒し」になっているのではないだろうか。

 『レンタルなんもしない人』は、増田演じる森山将太、通称・レンタルさんの、「なんもしない人(ぼく)を貸し出します」「ごくかんたんなうけこたえ以外、なんもできかねます」という不思議な条件付きでの仕事ぶりを描いていく。依頼はこれまで、「東京最後の一日に付き合ってほしい」「出社が怖いのでついてきてほしい」「離婚届の提出に同行してほしい」……といったもの。いつも何かに追われるこの時代では、「頑張れ」という声ですらプレッシャーになり鬱陶しくなることもあるだろう。そんな現代社会に疲れた人たちが、とにかく何もしないレンタルさんと出会うことで、心が洗われ救われていくのだ。

 ただ、このレンタルさんもまた、同じように社会に押しつぶされた1人。そのレンタルさんを優しく見守り、レンタルさんになることを勧めたのが、比嘉演じる妻の沙紀だ。ドラマでは、料理を作り、育児に励み、レンタルさんの今日の報告を聞く。小さな子供がいるのに夫が無職となったら、普通はピリピリするものだが、沙紀は、まるで菩薩のようにレンタルさんを笑顔で受け入れる。

 近年の比嘉は、『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)の白血病を患う子供の命を守るために必死にドナーを探すシングルマザーや、『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~ 伊勢志摩で大漁! 初めての出張編』(テレビ東京系)でのダメな夫の帰りを待つ母親、そしてNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』では、上京したなつ(広瀬すず)を優しく迎え入れる東京の母親的存在のマダム役など、母性のあるキャラクターを演じることが多い。そうした自立した女性像の体現に止まらず、凛とした顔立ちや女性としての強さの裏に、どこか孤独の寂しさが見え隠れするのが、比嘉のこれまでの魅力だったように思う。ただこの作品では、寝癖が戻らないことを怒るくらいで、とにかく受け入れる優しさがあるのである。

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