『美食探偵』小芝風花の“声のない熱演”が光る 中村倫也との距離は遠ざかるばかりなのか?

『美食探偵』小芝風花の“声のない熱演”が光る 中村倫也との距離は遠ざかるばかりなのか?

 積年の恨みから夫を殺害してしまい、体を切り刻んで捨ててしまうというショッキングすぎる展開をみせた『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)第4話。やっていることは園子温の映画くらいグロテスクだが、第2話・第3話のような計画殺人ではない衝動的な展開が、登場人物たちの心情を鮮明にあぶり出していった。

 「食料品を毎週送りつけてくる姑に困っています。」今回の事件は、主婦であるみどり(仲里依紗)がネットにぶつけた悩みをマリア(小池栄子)によって掬い上げられることによって動き出す。新婚時、みどりが自分の手料理でいっぱいにすることを夢見て購入した冷蔵庫。しかしその想いが実現されなかっただけでなく、夫・和宏(落合モトキ)からの無理解や暴力が彼女を追い込んでいくことに。そうして発露される夫への恨みは、マリアが辿った境遇=第1話におけるマリアの殺害動機とも強く結びつくものだったから、彼女に背中を押されながら衝動的にみどりは夫を殺してしまう……。マリアやみどりは、ただ夫に美味しい手料理を振る舞いたいだけだったのに、その象徴である冷蔵庫が本来あるべき役割を果たせない悲劇。

 そして第4話でも偶然か必然か、マリアが関わる事件に吸い寄せられていく明智(中村倫也)。明智は殺害された和宏の高校の同級生であり、そのエピソード内では“おふくろの味”を知らない明智が和弘の母親が作った弁当によって初めてその味に触れる感動的な場面が描かれる。一方では“キッチン・ハラスメント”とも呼ばれ忌み嫌われる姑の料理も、もう一方では、東北から上京してきた息子のために作った母親の優しさというエモーショナルな側面が存在していたことを私たちは知る。

 物事が孕むこうした“二面性”は、「犯行に及ぶものにとっては天使の一声/殺害される側にとっては悪魔」である“マリアのアンビバレントな立ち位置”にも強く結びついていくだろうし、そのマリアの行動に逆らいながらも一方で強く惹かれてしまう“明智の複雑な心情”にも繋がっていくだろう。簡単に断罪できない感情が、明智とマリアを否応なく引き寄せていってしまう。

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