“漫画実写キャラ”から“等身大の青年”まで幅広い表現力 ドラマを軸に振り返る山崎賢人の歩み

出演ドラマを軸に振り返る山崎賢人の歩み

 『グッド・ドクター』(フジテレビ系)の再放送で注目を集めている山崎賢人。確かな演技力で視聴者の心を掴んでいる。本作は『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)が新型コロナウイルスの影響で放送延期になったことで急遽再放送となった。山崎は本作でサヴァン症候群を抱える小児科の医師という難しい役を演じた。

 山崎といえば、少女漫画の主人公のような端正なルックスと丁寧な芝居で多くの視聴者を虜にしている。もともとはティーン向け雑誌『ピチレモン』(学研プラス)で数少ないメンズモデルとして活躍。その後『熱海の捜査官』(テレビ朝日系)で俳優デビューを果たし、“学園内で数少ない男子生徒の1人かつ美少年”という役柄を演じた。さらに『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』(日本テレビ系)や『水球ヤンキース』(フジテレビ系)で学園モノに出演するようになり、連続テレビ小説『まれ』(NHK総合)でヒロインのパートナーを演じ一気に知名度を上げたのだ。

 映画では『L・DK』、『ヒロイン失格』、『orange -オレンジ-』、『オオカミ少女と黒王子』など立て続けに少女漫画原作の作品でヒーロー役を勝ち取り、正統派イケメン俳優のイメージを強く打ち出した。現在では映画『キングダム』での10キロの減量による徹底した役作りへの賞賛の声や、『グッド・ドクター』で見せる繊細な芝居に「感動した」などの反響も多く聞こえ、演技派俳優としての歩みを進める。今回は山崎のキャリアの中でも特に注目したいテレビドラマについて紹介したい。 

『デスノート』(2015年/日本テレビ系)

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 『デスノート』は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された人気少年漫画『DEATH NOTE』が原作のテレビドラマ。そこに名前を書いた人間を死なせることができる「デスノート」を手にした少年・夜神月を主人公にした物語で、テレビアニメ、映画、舞台化もされるほどの人気作だ。山崎は、犯罪者を抹殺し理想の世界を作り上げようと暴走する月を止めようと奔走する、世界一の名探偵・Lを演じた。前述の通り、テレビドラマだけでなく、映画、アニメ、小説、ミュージカルなど、幅広く展開された人気作品ゆえ、Lにはある程度固定のイメージがあった。個性が強く、扮することさえ難しいLを、山崎は器用に再現した。『キングダム』でも主人公の再現度の高さに言及する声が多かったように、山崎は漫画原作のキャラクターを自然に、魅力的に演じる力に長けている。松山ケンイチが演じた映画版『デスノート』のような印象的な座り方こそなかったものの、服装、髪型、メイクから始まり少し猫背気味な立ち姿や台詞の言い回しなどで山崎なりのLを作り上げた。さらに、窪田正孝演じる月との熾烈を極めた対立シーンは、思わず息をするのを忘れるほどの熱量を感じる。

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