阿部寛主演作はなぜシリーズ化される? 進化する姿を捉えた『下町ロケット』などから探る

『下町ロケット』で進化する阿部寛

 『下町ロケット特別総集編』(TBS系)が4月5日から3週連続2時間スペシャルで放送される。

 2015年に放送された『下町ロケット』の主人公・佃航平(阿部寛)は、堺雅人、役所広司、大泉洋など名うての俳優陣が名を連ねる池井戸潤原作の同枠のドラマ作品で、半沢直樹に次いで印象的な主人公だ。

 佃航平はロケット開発の元技術者。父親が遺した町工場の佃製作所を立て直し、ロケットを飛ばす夢を実現するためにロケットエンジンに必要なバルブシステムの開発に情熱を燃やす。一人娘との関係に葛藤しながらも、特許侵害訴訟やロケット大手・帝国重工との契約など次々と押し寄せる難題を社員とともに乗り越えていくストーリーが視聴者のハートをつかんだ。

 1964年生まれの阿部寛は日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞するなど、日本を代表する俳優の一人だ。これまでに多数の映画・ドラマで主演を務め、ドラマ『TRICK』(テレビ朝日系)の自称天才物理学者・上田次郎や映画『テルマエ・ロマエ』で演じた古代ローマの浴場設計技師・ルシウスなど個性的なキャラクターで知られる。

 阿部の出演作はシリーズ化されることが多い。『TRICK』は2000年から15年にわたって続き、この中には劇場版4作品も含まれる。また、初の日曜劇場主演作となった『新参者』(TBS系)は東野圭吾原作の刑事ものだが、連続ドラマ以外にスペシャルドラマ2本と劇場版2作品が公開。最近では『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)が13年ぶりの続編として話題になり、このほど『ドラゴン桜2(仮題)』(TBS系)で2005年以来の再登板が発表されるなど、出演作の相次ぐシリーズ化は阿部の専売特許とも言える。

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