『エール』柴咲コウとの出会いがヒロインにもたらすもの 幸せな絶頂に見えた関内家の行く末は?

『エール』柴咲コウは何をもたらす?

 裕一(石田星空)の運命の相手となる音(清水香帆)が、本格的に登場した『エール』(NHK総合)の第7話。音は教会で世界的に活躍するオペラ歌手・双浦環(柴咲コウ)に偶然出会う。第8話は、環の歌声が教会に鳴り響くシーンから幕を開けた。

 環と話してみたいと言う音に、安隆(光石研)は「やらずに後悔するよりやって後悔した方がよい」と背中を押す。音が環に「感動して心に届いた」と伝えると、環は優しく微笑んでいた。また『竹取物語』でお爺さんの役になってしまったことを話す音に、環は「私は枯れ木だったんだよ」と明かし、次いで「どんな役でも空けてはいけない、目の前のことに全力を尽くしなさい」と伝える。そのメッセージこそが、道が拓けることに繋がる音へのエールでもあった。

 翌日、『竹取物語』の練習が始まる。環の言葉に後押しされ、音は自らの役のセリフをしっかりとマスターしていた。しかし、かぐや姫役に選ばれていた生徒は、主役にも関わらず、浮かない顔をしている。生徒は、主役を押しつけられてプレッシャーを強く感じ、緊張でうまく演じることができていなかったのだ。

 その日、音が帰宅すると、関内家では姉・吟(本間叶愛)の誕生日が祝われた。音が誕生日プレゼントの口紅を吟に荒々しく塗り、安隆と光子はダンスを始める。そこには、幸せな家族の時間が流れていた。

 翌日の『竹取物語』の練習では、昨日と同じようにかぐや姫役の生徒がセリフに詰まっている様子を見かねて、音が割って入ると、その生徒は怒ってしまい席を外してしまった。

 環に出会い、人生における大切な指針を教えてもらい、やりたいことを見つけられた音。気の強い性格も相まり、何事にも全力で我が道を進む女の子になりそうな予感がした。第8話の最後で警察から先生に入った連絡は、嫌な予感がする。出張に出かけた安隆に何が起こったのか、幸せな絶頂に見えた関内家の行く末が気になる。

■岡田拓朗
関西大学卒。大手・ベンチャーの人材系企業を経てフリーランスとして独立。SNSを中心に映画・ドラマのレビューを執筆。エンタメ系ライターとしても活動中。TwitterInstagram

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
NHK総合にて、3月30日(月)より放送開始
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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