“考察班”生み出す『シロクロ』『あな番』『3年A組』 日テレ日曜ドラマ枠はSNS時代を攻略!?

『シロクロ』『あな番』“考察班”ドラマ

『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』

 本作は、賀来賢人演じる刑事・遊佐清春が、未解決事件を追い、巨悪に反乱を起こす刑事ドラマ。ハードボイルドなストーリー展開もさることながら、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』と世界観を共有していることでも話題になった。

 本作では、『3年A組』でも登場する架空のSNS「Mind Voice(マインドボイス)」がTwitter上に作られたことや、最終話では劇中の日時が放送日時と同じに設定されたことなど、視聴者が物語に埋没しやすくなるような工夫がなされていた。

 そして最終回のエンディングで“考察”は最高潮の盛り上がりを見せる。生死不明に終わった清春の姿に、SNS上では「撃たれた!! 死んだ!?」「清春は死んでしまったのかそれとも生きているのか」「最後が謎すぎる」など、さまざまなコメントが殺到。含みをもたせたラストが、最後の最後まで視聴者の心を捉え続けた。

『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』

 本作は、驚異的な身体能力を持つ女・ミスパンダと彼女を操る男・飼育員さんが、 警察やマスコミが触れない“グレー”な事件に“シロクロ”つけるシニカルミステリードラマ。

 最凶バディが“グレー”な事件を大胆に暴くエンターテインメント性の高さも魅力的だが、物語には横浜流星演じる直輝の復讐に通ずるさまざまな謎が散りばめられ、SNS上は直輝の父の死の真相や清野菜名演じる“レン”の壮絶な過去への“考察”で盛り上がっていた。

 3月15日に最終回を迎える本作。直輝が全ての復讐を終え、謎解き要素は片づいたようだが、予告編で映し出された屋上に立つ直輝の姿に、直輝とレン(リコ)がどうなってしまうのかを思う声があがっている。

 視聴方法が多様化した昨今、脚本・演出で人を惹きつけるだけでなく、SNSやYouTubeといった新しいメディアを活用する方法が、今後のドラマには求められるはずだ。むしろ今は、ソーシャルメディアをうまく活用してドラマの評判を世帯にも広げることが、リアルタイムの視聴率をあげる要因にも繋がっているとも言える。

 なお、SNSを覗いてみると「日曜ドラマ枠は必ず1人クレイジー枠がいる」という声や、物語の終わりで新たな謎を残す演出に「あの枠らしい終り方」を期待する声が上がっている。型や流れをつくり、視聴者の次の日曜ドラマ枠への期待を高めさせているのも、日本テレビの戦略かもしれない。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜23:25放送
出演:清野菜名、横浜流星、要潤、白石聖、田中圭(友情出演)、山口紗弥加、佐藤二朗
監督:遠藤光貴
脚本:佐藤友治
チーフプロデューサー:岡本浩一(読売テレビ)
プロデューサー:福田浩之(読売テレビ)、馬場三輝(ケイファクトリー)、千葉行利(ケイファクトリー)
共同プロデューサー:池田健司(日本テレビ)
制作協力:ケイファクトリー
制作著作:読売テレビ
(c)読売テレビ
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/shirokuro/
公式Twitter:@shirokuro_drama
公式Instagram:@shirokuro_drama

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