『シロクロ』プロデューサーが明かす、作品に込めたパーソナルな願いと“オリジナル脚本”という挑戦

『シロクロ』プロデューサーが明かす、作品に込めたパーソナルな願いと“オリジナル脚本”という挑戦

 3月15日に最終回を迎える『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ・日本テレビ系)。清野菜名と横浜流星がW主演を務める本作は、忖度や圧力にあふれているグレーな現代、闇に隠された真実を華麗に暴く、令和の最凶バディの活躍を描くオリジナルドラマだ。清野が、囲碁棋士の川田レンと世の中のグレーゾーンにシロクロつける謎の存在“ミスパンダ”を演じ、横浜が、大学で精神医学を学びながらメンタリストとして活動する一方、レンを操ってミスパンダに仕立て上げる“飼育員さん”でもある森島直輝を演じる。

 大胆な設定と黒幕の予想で、SNSでも話題を呼んだ本作。その制作の裏側、オリジナル企画だからこそできたこと、最終回に込めた思いまで、福田浩之プロデューサーが語った。

「息子たちへのメッセージが込められています」

ーー最終回を目前に控えていますが、今の心境は?

福田浩之(以下、福田):読売テレビとしても僕としても、日曜ドラマ枠を担当するのは初めてだったんですが、自身のオリジナル企画で挑戦させていただけて、とにかくやり切ったという思いです。支えてくれたあらゆる人に感謝しています。

ーー本作の制作のきっかけは?

福田:すごくプライベートなことで恐縮なのですが、このドラマは、1年半前に妻が亡くなってから初めて企画したドラマになります。僕は、9歳と5歳の息子を持つシングルファザーなんです。そんな自分の経験もあって、親子の物語にしたいなと。下の息子は、妻の形見のパンダのぬいぐるみをずっと離さなくて、そのぬいぐるみにずっと話しかけるんですよ。パンダというモチーフもそこからインスパイアされました。だから、森島直輝がパンダのぬいぐるみを持って「パパ」と語りかける姿は、息子をイメージしていました。

ーーダークヒーロー的なミスパンダの存在も印象的です。

福田:これまでも、『ブラックスキャンダル』『ブラックリベンジ』(どちらも読売テレビ・日本テレビ系)など現代社会を風刺した作品を作ってきたので、今回もその作風を踏襲しました。あと、僕はアメコミではマーベルよりDC派なんです(笑)。ヒーローが葛藤して成長していくストーリーが好きなので、そういう物語を作れたらと考えていました。

ーーオリジナル脚本で、ヒーローものを作るというのは挑戦的な企画だと思います。本作が「成功する」と確信した瞬間はありましたか?

福田:「ミスパンダならこうする」「直輝ならこうする」という意見が、清野さんと横浜さんから第5話撮影の頃から出たんです。そのあたりから「もう大丈夫だ」と思いました。自分が産みの親だとしたら、キャストの方たちがその子供を育ててくれて、子離れしたような感覚を覚えました。最終話は僕が作ったというより、“ミスパンダ”と“飼育員さん”が勝手に動き出すようでした。自分が想像していたものとは、全く違う結末になっています。

ーー途中でストーリーを変えられるのは、オリジナル脚本だからこその強みです。

福田:バックボーンとなる設定は決めていたんです。それをどの話で明かすのか、どういうシーンを盛り込むかは撮影しながら考えました。例えば、第8話で佐藤二朗さん演じる佐島と直輝が殴り合う場面も当初は予定していなかった。第7話でリコと山口紗弥加さん演じるお母さんが出会う場面も、山口さんと清野さんのお二人から「リコに会いたい」「お母さんに会いたい」と提案があったから実現しました。「作品が育っていく」という連続ドラマの醍醐味が出せたと思います。実際に、撮影しながら取り入れたシーンが反響としても大きいです。

ーー撮影しながらの脚本の変更によって、新しく生まれたカラーはありますか?

福田:当初はもっと謎解きの要素が濃いサスペンスになるかと思っていたんですが、結果的に親子がどのように向き合うかという、“家族”の話になりましたね。第9話の、田中圭さん演じるお父さんからのビデオレターというアイデアも、最初は想像していませんでした。あの場面での田中さんのセリフは、僕から息子たちへのメッセージが込められています。単純に死因が明らかになるということだけではなく、そこから一歩前に歩み出すための言葉になったかと思います。あの場面で、親子のつながりというテーマがより確たるものになりました。

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