『シロクロ』プロデューサーが明かす、作品に込めたパーソナルな願いと“オリジナル脚本”という挑戦
「自分にしかできないものを作ろう」
ーーW主演に清野さんと横浜さんをキャスティングした理由は?
福田:川田レン/ミスパンダ、森島直輝/飼育員さんと、お二人が演じるキャラクターには、表の顔と裏の顔があります。二面性を演じ分けられる役者であることは絶対条件でした。あと、テレビドラマという場所で、今まで視聴者の方が見たことがない役者の表情を見せたかった。そんな期待に応えてくれると思って、お二人にオファーさせていただきました。実際こちらのご要望に120%応えてくださいましたし、むしろ僕がプレッシャーを感じるくらいで(笑)。アクションに関してはそこまで重視していたわけではなくて、二人ともアクションがすごいから、その要素を盛り込みました。
ーー福田さんから見て、清野さんと横浜さんの関係性はいかがでしたか?
福田:いい意味でお二人は競い合っていたと思います。僕の目からは、「バディ」というより「戦友」のように映りました。第7話で清野さんがリコとして見事な演技をしたことは、横浜さんにも影響を与えたんじゃないでしょうか。その後の、第8話での佐藤さんとのシーンでは、横浜さんが佐藤さんと細かい部分まで話し合っている姿が印象的でした。僕は、視聴率云々より、役者の方々にこのドラマに出てよかったと思っていただきたいんです。佐藤さんや山口さんからも、「役者として新しい挑戦をさせてありがとう」という言葉をいただいたのは嬉しかったです。そんな役者の方々の新たな一面が、視聴者の方に伝わっていれば嬉しいです。
ーー日本テレビの日曜ドラマ枠は、『今日から俺は!!』『3年A組ー今から皆さんは、人質ですー』『あなたの番です』など近年話題を呼んだ作品が多いです。プレッシャーはありましたか?
福田:社内外からものすごくプレッシャーをかけられました(笑)。ありがたいことですし、自分もその期待に応えたくて、どうすればいいのか悩んだ時もありました。『今日俺!!』『3年A組』『あな番』に共通するヒットの法則を考えようとしたり(笑)。でも、最終的に「自分が見せたいものは何か」という原点に立ち返ったときに、自分にしかできないものを作ろうと思って。その結果、自分のパーソナルな経験に向き合って、自分のドラマの一番の応援者であった妻にいま観てもらいたい企画にしようと決心しました。プレッシャーがあったからこそ、自分をさらけ出そうという覚悟ができた。本作の制作を経て、改めてドラマというものに誠実に向き合おうと思いました。「こういうドラマが受ける」という考えではなく、ドラマの登場人物と世界に真摯に向き合って、今後も作品を作っていきたいです。
ーー最後に、最終回を楽しみにしている視聴者の方へのメッセージをお願いします。
福田:レンと直輝が大きな決断を下すので、その決断を見届けてくれれば本当に嬉しいです。僕だけではなく、清野さんや横浜さん、スタッフのみんなで下した決断です。個人的には、最終話の放送が終わったら妻にじっくり感想(ダメ出し)を聞きたいです。
■放送情報
『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜23:25放送
出演:清野菜名、横浜流星、要潤、白石聖、田中圭(友情出演)、山口紗弥加、佐藤二朗
監督:遠藤光貴
脚本:佐藤友治
チーフプロデューサー:岡本浩一(読売テレビ)
プロデューサー:福田浩之(読売テレビ)、馬場三輝(ケイファクトリー)、千葉行利(ケイファクトリー)
共同プロデューサー:池田健司(日本テレビ)
制作協力:ケイファクトリー
制作著作:読売テレビ
(c)読売テレビ
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