『テセウスの船』竹内涼真を手玉に取る小学生が牙を剝く まだ見ぬ共犯者の正体とは?

『テセウスの船』まだ見ぬ共犯者の正体とは?

 そうすると、みきおは長谷川翼(竜星涼)たちを使って巧みに犯罪を実行していたことになるが、はたしてそこまでの力があるかと問われると疑問が残る。また、ドラマ版で生きたまま発見された三島明音は犯人と対面しているはずだが、犯人の正体を証言しないのも不思議だ。こういった疑問に答えるのが協力者の存在。ただし、第7話の時点で木村さつき(麻生祐未)とはまだ共犯関係ではないと考えられるため、死んだ長谷川やさつき以外にも協力者がいると考えるのが妥当だろう。

 それにしても、未来から来た息子であるという心の言葉を信じた佐野や、何も聞かずに心を受け入れた佐野家の寛大さには恐れ入る。もちろん心が鈴(白鳥玉季)を助け、心と佐野が互いを人間として理解した上でのことだが、村人の冷たい視線や言葉に負けない強さも佐野家は備えている。そんな家族が引き裂かれそうな様子を目の前にして、心は佐野家だけのお楽しみ会を提案する。

 30年後に開けるタイムカプセルに心が入れたのは結婚指輪と佐野家の家系図。家系図には佐野と心がこれからも一つの家族でいられるようにという願いが、また過去と未来をつなぐリングには未来を変えてみせるという心の決意が込められているように感じた。

 そして平成元年3月12日、いよいよ事件当日。和子(榮倉奈々)と子どもたちを送り出した佐野と心は事件現場となる音臼小へ向かう。もし犯行を阻止できなければ、佐野は冤罪で逮捕され、心には加害者家族としての人生が待っている。文字通り運命を左右する長い一日が幕を開けた。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログtwitter

■放送情報
日曜劇場『テセウスの船』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:竹内涼真、榮倉奈々、安藤政信、貫地谷しほり、芦名星、竜星涼、せいや(霜降り明星)、今野浩喜、白鳥玉季、番家天嵩、上野樹里(特別出演)、ユースケ・サンタマリア、笹野高史、六平直政、麻生祐未、鈴木亮平
原作:東元俊哉『テセウスの船』(講談社モーニング刊)
脚本:高橋麻紀
演出:石井康晴、松木彩、山室大輔
プロデューサー:渡辺良介、八木亜未
製作:大映テレビ、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/theseusnofune/

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