高橋一生、8Kドラマ『スパイの妻』で蒼井優の夫役に 「終わって欲しくない程充実した時間」
6月にNHK BS8Kにて放送されるスペシャルドラマ『スパイの妻』に、高橋一生が出演することが決定した。
本作は、黒沢清監督が初めて8Kで描くラブサスペンス。舞台は1940年の神戸。時代の不穏な空気を感じ取っていた貿易商の男は、妻を残し満洲へ赴く。男はそこで偶然目にしてしまった世にも恐ろしい出来事を、世界に知らしめなければならないと心を決め、行動に移そうとする。その夫の意志を知った妻は、彼の身の安全と2人の幸せのため、これを阻もうとするが……。
脚本は、『寝ても覚めても』の濱口竜介、『ハッピーアワー』など濱口作品の脚本を手がける野原位、そして黒沢の3人体制で手がけられ、主演を蒼井優が務める。
今回出演が発表された高橋が演じるのは、蒼井演じる主人公・福原聡子の夫で貿易商の福原優作。また、ペトロールズのフロントマンであり、椎名林檎を中心に結成された「東京事変」では浮雲の名で活動するギタリストの長岡亮介が音楽を担当することも決定した。
情報発表にともない、高橋、脚本の濱口と野原、音楽の長岡より、下記のコメントが寄せられた。
コメント
高橋一生(福原優作役)
クラシックな物語性と新しい試み。リズムに還元されてしまいそうな劇的な台詞の数々。
初めての黒沢組は終わって欲しくない程充実した時間の中でお芝居をさせていただきました。
この作品の完成が心から楽しみです。
濱口竜介(脚本)
この企画への参加をお誘いいただいて以来、私が心に念じていたことは、黒沢清監督に最高に面白いドラマを撮っていただきたい、というその一点です。共同脚本の野原位ともども師匠である黒沢監督の胸を借りて思い切りぶつかった結果、生まれた物語はタイトル通り「スパイの妻」として戦中の状況に翻弄される一人の女性の話となりました。脚本家にも関わらず、完成作がどのようなものになるか全く予想がつきません。ただ、傑作となることだけは強く確信しています。いち黒沢ファンとして、参加できたことが心より嬉しく、誇らしく、完成を心待ちにしています。
野原位(脚本)
黒沢監督とこの企画を進め始めてから早2年が経ち、今とても感慨深い思いでおります。
私自身も脚本チームの一員として関わり、黒沢監督から学ぶばかりで、その点でも非常にありがたい機会でした。兎にも角にも一観客としてワクワクしています。今作は黒沢監督が戦中を舞台にした新鮮で素晴らしい企画であり、そして濱口さんが脚本という二度とないかもしれない夢のタッグです。ここまで企画を支えてくれた方々にも心から感謝しています。この傑作の完成がただただ楽しみで仕方ありません。
長岡亮介(音楽)
欲しいなと思うものを自分勝手に夢想して、そのイメージを歌や演奏に気ままに落とし込んでいく、自分が作る音楽は大体そういう感じでした。今回は作品が放つイメージに自分のイメージを重ねていく、という初めての作業。興味深く加わらせていただきました。シンプルに、を心がけました。さあ、何曲採用されるのでしょうか?!(笑)
■放送情報
『スパイの妻』
6月、NHK BS8Kにて放送
出演:蒼井優、高橋一生ほか
監督:黒沢清
脚本:濱口竜介、野原位、黒沢清
音楽:長岡亮介
制作・著作:NHK、NHKエンタープライズ、Incline、C&Iエンタテインメント
写真提供=NHK