『病室で念仏を唱えないでください』”死”と向き合う泥臭さ 伊藤英明が見せた、熱い姿勢

『病室で念仏を唱えないでください』”死”と向き合う泥臭さ 伊藤英明が見せた、熱い姿勢

 松本(伊藤英明)の念仏、そしてセンセーショナルな交通事故のシーンで始まった。金曜ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)は、救急医兼チャプレンの松本照之(僧侶としての名は照円)を中心に医療の現場を描くヒューマンドラマだ。『ビッグコミック増刊号』(小学館)で連載中の同名コミックスを原作とした本作は、松本の奮闘を通して、「生きること」を説く。

 交通事故で運ばれてきた患者の中にいた、脳死状態の母親・容子(hitomi)の処置にあたっていた松本。そこへ容子の息子・将太(大西利空)が事情を聞いて駆けつけた。しかし容子は事故当時、男性と車に乗っていたため、将太は自分の母親に恋人ができて自分たちを捨てようとしているのだと思ってしまった。ふと「死ねばいい」と漏らした将太だが、それを聞いた松本にキツく言動を注意される。容子は、松本や三宅(中谷美紀)らの奮闘虚しく命を落としてしまう。だが将太は、松本との交流から命に向き合うことができ、最後に容子の手を握りながら大粒の涙を流し、素直にお礼を言うことができた。こうして松本は医療の現場を支えながら、僧侶として仏教の教えを説く。

 初回から“命を救う”感動ものの医療ドラマではなく、現場を右往左往と走り回り“死”と向き合う泥臭さを見せる本作だが、決して陰鬱な気持ちになる作品ではない。松本の本気で向き合う熱い姿勢と、三宅の救急医としての冷静な判断でヒューマンドラマとしても見応えのある作品となっている。

 特に第1話は何と言っても、松本の個性的なキャラクターが際立った。救急の医師であり、僧侶でもある松本は僧衣を着て院内を走り回る。チャプレン(医療機関で心のケアをする宗教者)として患者の元をまわり説法を説くなど、医師とはかけ離れた姿を見せる。アグレッシブな松本は、他の医師にも煙たがられるほど仕事に熱心だ。休みなく働く姿に、三宅からは「まわりが苦しくなる」「正しいことが正しいわけじゃないよね」と釘を刺される。考え方は対立する二人だが、医療の現場では相性ばっちり。迅速な対応で患者を救っていく。

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