松下洸平演じる八郎の魅力が止まらない! 『スカーレット』が描く物作りの根源

『スカーレット』松下洸平の魅力が止まらない!

「湯飲み茶碗、好きや言われて救われた。小さなことやけどな。ものすごぉ大きく救われたんよ。コーヒー茶碗欲しい言われたんも、作品作りに返せる力をもろた」

 八郎には、人の心を動かす作品を作りたいという思いがある。それは物作り、クリエーターにおける根源。八郎が喜美子にもらった絵を支えにしていたように、八郎の作品にも誰かを癒したり、励ましたりする力がある。八郎はそのことを見出してくれた夫妻の思いに応えたいと、依頼を快諾していたのだ。優しさだけではない、八郎の奥にしっかりと存在している信念に、憂慮していた喜美子の視線は真っ直ぐ前を向く。

 それにしても、八郎はなんと魅力的な男だろう。喜美子には常に優しく思いやりをもって接し、常治には真摯に誠実に自分の思いを伝え、クリエイターとしてのプライドもしっかりと持つ。加えてどこか鈍くさい、愛すべきところもある。八郎を演じる松下洸平も本作を経て人気が出ることは間違いないだろう。

 第12週「幸せへの大きな一歩」では、八郎が陶芸展で新人賞を受賞し、結婚の準備が始まるようだ。八郎の姉のいつ子(しゅはまはるみ)、女性陶芸家として成長の兆しを見せる喜美子を訪ねるひろ恵(紺野まひる)と新たなキャストも登場。予告では「キスはいつするんや」という八郎のセリフとともに、唇を近づける喜美子と八郎の姿も。八郎が語っていた夢の一つひとつが叶えられていく。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『スカーレット』
NHK総合にて、2019年9月30日(月)〜2020年3月放送予定
出演:戸田恵梨香、北村一輝、富田靖子、桜庭ななみ、福田麻由子、佐藤隆太、大島優子、林遣都、財前直見、マギー
水野美紀、溝端淳平、木本武宏、羽野晶紀、三林京子、西川貴教、松下洸平、イッセー尾形 ほか
脚本:水橋文美江
制作統括:内田ゆき
プロデューサー:長谷知記、葛西勇也
演出:中島由貴、佐藤譲、鈴木航ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/scarlet/

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