『おっさんずラブ-in the sky-』恋に破れゆく黒澤、四宮、成瀬  “好きな人の幸せを願う”愛の行方は?

『おっさんずラブ-in the sky-』恋に破れゆく黒澤、四宮、成瀬  “好きな人の幸せを願う”愛の行方は?

 「愛があるじゃないか。“愛がある”と、俺は思うよ」

 お客さま感謝デーのイベントを一新することで、CAのみんなにさらなる負担をかけてしまったことを省みる獅子丸(山崎育三郎)。社員の温かさをファン感謝デーに活かしたかった……、そう落ち込む彼に、黒澤キャプテン(吉田鋼太郎)はこう言葉をかける。『おっさんずラブ』という題名をもってして、このドラマは常に「この世界には愛がある」ということを必死に伝えてきたように思う。まっすぐに相手のことを考えて部下を叱る姿にも、みんなの強みを活かして会社をよくしようとする意思にも、あるいは、好きな人の幸せを願って身を引く姿にも……。「相手のことを想う愛」はそこかしこに転がっていて、でもその愛が結実することはないということに気づかされてしまう『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系)第7話、悲しみの連鎖。

 好きな人が幸せになってくれればそれでいいーー。そう言わんばかりに、相手のことを想って身を引いていくものたち。娘である緋夏(佐津川愛美)のために一度は身を引いた黒澤キャプテン。その緋夏は、春田(田中圭)には好きな人がいると感じとり、追うことをやめてしまう。四宮(戸次重幸)が春田と過ごした1週間、そのことに対して成瀬(千葉雄大)が口出しすることはなかったし、春田にしても、好きな人=成瀬が四宮にアプローチするために悩んでいると、相談に乗り、あろうことか背中を押してしまう。

 また、相手へのアドバイス・指摘が、言った本人に反射してしまうというのが、「愛がある」にも通じる第7話のテーマだったようにも思う。父親が、「ある人を好きになってしまったんだ」「何度も諦めようとしたけど、まだ諦めきれずにいる」と吐露すれば、「いいじゃん、諦めなくて。だってお父さんの人生だよ。好きにしたらいいじゃん」と緋夏は後押しする。四宮へのアプローチの仕方を間違えたと反省し、「キスまでにやらなきゃいけないことってあるんですか?」と成瀬に問われれば、「あるだろその、遊び行ったり、ごはん行ったり」と春田は答える。まるで、いきなり成瀬にキスしてしまった自分へのアドバイスみたいに、その言葉は響くことになる。また、四宮にしてもそうだ。キッパリと成瀬から向けられた想いを断ったあと、「行ってやれよ、成瀬のところ。早く!」と春田が成瀬を追うことを促す。そんな四宮は、彼らのことを思ってか、寮を出てしまう。

 そんな風に、『おっさんずラブ』の登場人物は、誰も彼もが、好きな人の悲しむ姿を見たくないと、自分の気持ちを蔑ろにしてしまう人たちなのである。そこにあるのは、紛れもなく愛だ。

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