『シャーロック』原作要素を薄める挑戦に成功 “ディーン・フジオカ版”として会心のミステリーに

『シャーロック』ディーン版としての風格

 積極的に捜査に乗り出すようになった若宮によって、バディ感がますます強くなっていく獅子雄と若宮。すっかり恒例化した獅子雄のバイオリンタイムと若宮の“熱湯芸”。そして極め付きは終盤に石橋を追い詰めるシーン。後楽園ホールのリング上という舞台設定と、スポットライトを浴びて登場する梶山と潤というドラマチックなお膳立てが為され、最後の最後まで獅子雄は優子が「傘を取りに行く」と言った理由で悩み続ける。仰々しくありつつも、オールドファッションなミステリードラマのスタイルを漂わせる巧みな演出に、西谷弘の演出回かと思ってしまったが、クレジットで今回は野田悠介の演出回だと知って正直驚いた。第2話に続いての登板で、完全に“ディーン・シャーロック”のあるべき姿を完璧に掴んでいるようだ。

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■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『シャーロック』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:ディーン・フジオカ、岩田剛典、山田真歩、ゆうたろう、佐々木蔵之介ほか
原作:アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズ
脚本:井上由美子
プロデュース:太田大
演出:西谷弘
制作・著作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/sherlock/

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