『スカーレット』戸田恵梨香の笑顔と涙が突き刺さる 揺れ動く喜美子の感情を表した対照的な演技

『スカーレット』戸田恵梨香の対照的な演技

 『スカーレット』(NHK総合)が第2週「意地と誇りの旅立ち」より、ヒロイン・喜美子を戸田恵梨香が演じるパートに突入した。

 昭和28年2月、喜美子と幼なじみの照子(大島優子)、信作(林遣都)は15歳。中学卒業を目前に控え、それぞれが自身の進路に揺れていた。喜美子は照子の父が経営する丸熊陶業で働く予定がなかったことに。2月も半ば過ぎての時期、すでに信楽に就職口はなく、父・常治(北村一輝)が見つけてきた大阪の荒木商事で喜美子は働くこととなる。

 照子は婦人警官になる夢を諦め、丸熊陶業を継ぐことを決意する。それは幼い頃に亡くなった兄のためを思ってのことでもあった。信作は一人、高校へ進む。進学する人の方が多い中、信作は喜美子や照子と同じように働くことを希望していた。

 それぞれのもどかしい思いが交錯する、思春期の真っ只中。信楽を出て行く喜美子に照子は別れを惜しみ「行くならうちを倒してからいけ!」と柔道勝負を持ちかける。喜美子から柔道着2着を道場に持ってくるよう頼まれる信作。制服のまま試合を始めようとする照子。草間(佐藤隆太)から教わった「礼に始まり、礼に終わる」という武道の精神を守る喜美子。第1週目から描かれていた幼少期の頃から成長し、より打ち解けていった3人の関係性が第2週、第11回、第12回の2話分の中では見えてくる。大好きな喜美子にぎゅーっとすぐ抱きつく、素直になった照子の性格は、分かりやすい大きな変化だろうか。

 信作を待ちきれずに開始した取り組みの結果は、「とりゃ!」と綺麗な弧を描き、背負い投げを決めた喜美子の勝利。床にしゃがみ込み涙を浮かべる照子から堰を切ったように喜美子への思いが溢れ出る。

 「あんたいいひん信楽は想像できひん」「大阪行ったらあかん。信楽捨てたらあかん」。泣きじゃくる照子に、喜美子は笑顔で「そんなんやから友達できひんのやで」「さようならー! 照子ー!」と至って明るく接するのだ。演じる戸田恵梨香と大島優子は同い年で、プライベートでも親交がある仲。大島は「戸田さんも私も役柄に沿って演じているのですが、そんなに気張らずにできますし、なにより一緒のシーンはとても楽しいです」と公式サイトのインタビューにて話している。大島と林の再登場は、またしばらく先になりそうだが、喜美子に再会した照子の笑顔が容易に想像できる。

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