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『ジョーカー』旋風で吹き飛んだ『ジョン・ウィック』 敗因はパキスタンよりも遅い日本公開?

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 先週金曜日に世界同時公開された『ジョーカー』が、日本でも映画界の話題を独占している。初日からの3日間で動員49万8071人、興収7億5567万円を記録。土日2日間の初動成績を過去のDC作品と比較すると、『ダークナイト』(2008年)の251%、『ダークナイト ライジング』(2012年)の147%、『マン・オブ・スティール』(2013年)の204%、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)の109%、『スーサイド・スクワッド』(2016)の140%、『ワンダーウーマン』(2017年)の203%、『ジャスティス・リーグ』(2017)の267%、『アクアマン』(2019年)の174%、『シャザム!』(2019年)の334%という数字。スーパーヒーロー映画の多くは初動に偏る傾向があるが、『ジョーカー』の勢いはウィークデイに入ってからも止まらず、2位以下の作品を大きく引き離して独走を続けている。ちなみに3億ドル(約321億円)以上かかった『ジャスティス・リーグ』の製作費に比べて、『ジョーカー』の製作費はその5分の1以下の5500万ドル(約59億円)と報じられている。今回の『ジョーカー』の世界的大ヒットが、いかに異例の快挙かがわかるだろう。

 さて、『ジョーカー』の大ヒットスタートに関してはすでに民放のニュース番組も含む多くのメディアが報じているのと、来週以降も好調が続いて当コラムで取り上げることになる可能性も高いので、今回は5位に初登場した「ジョン・ウィック」シリーズの3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』を取り上げたい。土日2日間の動員は8万4000人、興収は1億2600万円。同期間の『ジョーカー』と比べて、動員も興収も4分の1以下という成績となった同作。主演のキアヌ・リーヴスの日本における知名度と変わらない人気、作品の見事な仕上がり、そして何よりも日本以外では1作目から倍々ゲームで興収を伸ばして大ヒットシリーズ(本作は現時点で既に1作目の4倍の世界興収を叩き出している)に成長していることをふまえると、この結果は期待外れというだけでなく、少々不当なものにさえ思えてくる。

 理由は二つ考えられる。まずは、同日公開の『ジョーカー』に話題をさらわれたこと。熱心な映画ファンにとって週末に2本映画を観ることも「普通のこと」かもしれないが、残念ながらそんな映画ファンの絶対数はごくごく少数に限られている。「R15指定のハードなハリウッド・アクション映画」という括りにおいて、多くの観客が『ジョーカー』を優先したのは無理もない(もっとも、蓋を開けてみれば『ジョーカー』は「アクション映画」と分類できるような作品ではなかったのだが)。

 しかし、問題はそもそもどうして不運にも『ジョーカー』と同日公開になったかだ。冒頭でも触れたように『ジョーカー』は10月4日に世界同時公開されることで、作品が観客に与える影響や劇場の警備体制などについての国外のニュースも共有されて、日本でも現象を巻き起こしている。一方、今年5月17日にアメリカで公開された『ジョン・ウィック:パラベラム』も、最初の週末に5682万ドル(約57億円)を稼ぎ出してシリーズ初のボックスオフィスの1位に初登場。この成績は『ジョーカー』と比べても約60%と、十分に大ヒットと呼べる成績だった。公開が本国から5ヶ月も遅れることがなかったら、日本でも同水準のヒットになった可能性は大いにあったのではないか。

      

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