『FLY! BOYS, FLY! 』が描いた、King & Prince 永瀬廉ら訓練生のフレッシュな奮闘
主演の永瀬は、『俺スカ』での影のあるいじめっ子役とは大きく異なる役柄で、印象を変え堂々と演じきった。ドラマの冒頭ではどことなく頼りないが底抜けに明るい千空は、後半で薫やつばさをリードする頼もしい姿を見せる。永瀬は1つの作品の中でもこうした流れを重視した芝居を見せ、より感情移入できる作品に仕上げた。ラストシーンで千空と指導教官が並んで歩く姿は、登場時よりも堂々と胸を張り、これからのキャビンクルーとしての未来に希望を抱いた千空の姿がキラキラと輝いて見える。普段、ファンに夢のような時間を与えるアイドルをしている永瀬だからこそ、大勢を虜にするようなカリスマ的な素養を持つ千空の役がまさにはまり役だったと言える。こういった役柄は主演に多い性質のため、今後も演技の道で大きく羽ばたく可能性も感じた。
本作は女性社会であるCAの世界で奮闘する千空らと、男性社会であるパイロットの世界で奮闘するつばさを描くことで、職業に対する固定観念を覆し、より幅広い価値観を与える。大人から子供まで楽しめるようなライトな切り口で描いた作品に多様性が表されることは、可能性への第一歩であり非常に喜ばしいことだろう。黒島の凛々しい制服姿や、永瀬らが堂々とキャビンクルーを演じる姿は、夢やモチベーションを与えることができたかもしれない。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
『FLY! BOYS, FLY! 僕たち、CAはじめました』
出演:永瀬廉(King & Prince)、北村匠海、黒島結菜、岐洲匠、小越勇輝、大倉孝二 、真飛聖、寺脇康文、キムラ緑子ほか
脚本:古家和尚
演出:新城毅彦
プロデューサー:萩原崇(カンテレ)、長谷川晴彦(ROBOT)、阿部豪(ROBOT)
特別協力:ジェットスター・ジャパン
制作協力:ROBOT
制作著作:カンテレ
(c)カンテレ