三浦春馬の多彩な魅力を堪能 『TWO WEEKS』第1話で描いた逃亡劇のはじまり

『TWO WEEKS』三浦春馬の多彩な魅力

 拘置所に送られる道中、護送車が事故に遭い身動きがとれない中、結城は一大決心をする。なぎ倒れたバイクに向かって歩き出す結城。冒頭で見せた険しい顔つきは、娘のために逃亡劇を繰り広げることになる、決意の表情だったのだ。

 「最悪な人生だと思ってた。生きる価値なんてない。無意味な人生。あの子に出会うまでは」

 同じシーンにも関わらず、序盤と後半で結城の見え方が変わる三浦の演技は見事であり、三浦の見せる表情に二面性があるからこそ、殺人の濡れ衣を着せられた男の絶望が際立つ。

 また、この父性が唐突に感じないのは、結城の根底に「優しさ」があることがわかるから。一夜を共にした女性にそっと布団をかけ、怪我を負った警察に対して咄嗟に「大丈夫か」と声をかけており、はなに向ける目線の奥にも「優しさ」がある。

 前半ではガラの悪い雰囲気が漂い、まるで彼が犯罪に加担しているかのようにも見えた。だが、はなと出会い芽生えた父性により、後半に登場した結城の印象はまったく変わったものになっていた。始まったばかりの逃亡劇の中でこれから三浦が次々とどんな顔を見せてくれるのか楽しみだ。

201901_twoweeks2
201901_twoweeks3
201901_twoweeks5
201901_twoweeks6
201901_twoweeks7
previous arrow
next arrow
201901_twoweeks2
201901_twoweeks3
201901_twoweeks5
201901_twoweeks6
201901_twoweeks7
previous arrow
next arrow

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
『TWO WEEKS』
カンテレ・フジテレビ系にて、7月16日(火)スタート 毎週火曜21:00〜放送
※初回15分拡大
出演:三浦春馬、芳根京子、比嘉愛未、三浦貴大、稲垣来泉(子役)、近藤公園、鈴木仁、バッファロー吾郎A、磯村勇斗、原沙知絵、池田鉄洋、高嶋政伸、黒木瞳ほか
原作:『TWO WEEKS』(c)MBC 脚本:ソ・ヒョンギョン
脚本:山浦雅大
音楽:木村秀彬
プロデュース:岡光寛子(カンテレ)、白石裕菜(ホリプロ)、平部隆明(ホリプロ)
演出:本橋圭太、木内健人
制作協力:ホリプロ
制作著作:カンテレ
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/twoweeks/index.html

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる