『あなたの番です』203号室メンバーが隠していた秘密 横浜流星がゴミから見つけたヒントを探る

『あなたの番です』横浜流星が探るヒント

 木下(山田真歩)の部屋で翔太(田中圭)たちが見つけた“交換殺人”に関する資料と、これまで木下が集めてきた住人たちのゴミ。二階堂(横浜流星)が「情報の宝庫」と形容するように、事件解決の糸口となる“宝”の数々から翔太が持ち出したのは、尾野(奈緒)と藤井(片桐仁)のゴミのストックと石崎(三倉佳奈)の名前が書かれた紙、浮田(田中要次)のゴミから拾われた赤池幸子(大方斐紗子)の名前が書かれた紙など。新たな伏線やヒント、そして事実が明らかになるなど一気に大量の情報が放出された日本テレビ系列日曜ドラマ『あなたの番です-反撃編-』第12話。おそらくかなり久しぶりにキウンクエ蔵前の各部屋の住人たちの動向が映し出されたエピソードとなったのではないだろうか。

 今回のエピソードの中で最も大きな動きがあったのは203号室だろう。翔太たちが一連の“交換殺人”の真相を探りつづけていることを知ったシンイー(金澤美穂)たちは、藤井の部屋を訪れて秘密を共有することを持ちかける。すでに藤井がブータン料理屋の店主であるタナカマサオを殺したことが確定しているわけだが、新たにシンイーたちが俳優の袴田吉彦を殺したことが明らかにされた(ちなみに、その際に「袴田吉彦の映画全部観た」というシンイーから“最高の映画”と挙げられていた『二十才の微熱』は、本当に袴田吉彦の映画の中でもトップクラスの傑作。このドラマで児嶋佳世役だった片岡礼子も共演しているのだ)。

 これによって、これまで視聴者が本ドラマで目撃してきた“交換殺人”の流れがはっきりと見えてくることになったといえよう。早苗(木村多江)が山際を殺してから、山際の名前を書いた藤井がタナカマサオを殺し、タナカマサオの名前を書いたシンイーが袴田吉彦を殺害。そして袴田吉彦の名前を書いた久住(袴田吉彦)が細川(野間口徹)を殺したという流れが確定。必然的にその流れの中間に起きた赤池一家襲撃が、一連の交換殺人とは異なる流れの中にあったということになる。山際の事件の前に殺された管理人の床島(竹中直人)をはじめ、流れの外にありそうな児島佳世、浮田、甲野、そして菜奈(原田知世)の死の真相とともに今後より重要な部分となりそうだ。

 その赤池一家の赤池幸子が久しぶりに登場し、江藤(小池亮介)に車椅子を押されながら施設でとある映像を観るシーンが描かれていた。その映像に映し出されていたのは、キウンクエ蔵前の住人たちがパーティーをしている様子で生前の吾朗(徳井優)の姿。さらに赤池一家襲撃の際に流れたチェッカーズの『ジュリアに傷心』をデュエットする床島と尾野の様子が何やら意味深に映されていたことは見逃せない。そんな尾野は、翔太が二階堂の部屋に行っている隙に家に忍び込み見つかるわけだが、追い出された彼女が口の中から取り出す1つの小さなボタン。菜奈の死と何か関係があるのだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる