『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は大満足の出来! “これからのMCU”への期待も

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は大満足の出来! “これからのMCU”への期待も

 そして役者でいうと、ミステリオを演じるジェイク・ギレンホールも素晴らしい。ネタバレをしないために、ここで彼への具体的な言及は避けよう。ただ、ざっくり言えることは、このキャラクターに関しては原作の設定を知っていても、最後までどう転ぶか分からなかった。彼の存在そのものが作品にメタな視点をもたらし、物語を多面的/立体的にしていた。彼の物語の締めくくり方も素晴らしく、こうした部分はジェイク・ギレンホールの実力のおかげだろう。トム・ホランドが本作の看板なら、屋台骨は間違いなくジェイク・ギレンホールだ。

 あとジョン・ファヴローも。というか、ファヴローさんは仕事し過ぎじゃありません? この人、今年公開の『ライオン・キング』(2019年)で監督してるし、Netflixで『ザ・シェフ・ショー~だから料理は楽しい!~』っていう料理番組やってるんですよ。スパイダーマンと共演しつつ、ドナルド・グローヴァー(チャイルディッシュ・ガンビーノ名義でも有名)とビヨンセが出ている最新技術の名作リメイクを監督して、何時間もかけて肉を焼いたりお菓子を作ったりしている。恐ろしい人です。

 さて、話をファヴローの脅威から映画に戻そう。そんなわけで本作は、役者たちは全員魅力的、アクションは大迫力、ストーリーはツイストが効いて、演出も気が利いていて、現代社会へのちょっとした風刺、続編への強烈なクリフハンガー、そしてMCUファンの胸にストンとくるオマケ映像まで付いてくる大満足の出来だ。MCUの現状を踏まえた今、『スパイダーマン』に求められることを完璧に消化し、なおかつ「これまでのMCU」への興味と、「これからのMCU」への期待を高めてくれる1本だといえるだろう。いやはや、本当に恐れ入りました。

■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter

■公開情報
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
全国公開中
監督:ジョン・ワッツ
脚本:クリス・マッケナ&エリック・ソマーズ
マーベル・コミック・ブック原作:スタン・リー、スティーヴ・ディッコ
製作:ケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカル
出演:トム・ホランド、サミュエル・L・ジャクソン、ゼンデイヤ、コビー・スマルダーズ、ジョン・ファヴロー、J・B・スムーヴ、ジェイコブ・バタロン、マーティン・スター、マリサ・トメイ、ジェイク・ギレンホール
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:http://www.spiderman-movie.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/spidermanfilmjp
公式Facebook:https://www.facebook.com/SpiderManJapan/

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