森崎ウィン、『海獣の子供』での声優初挑戦で学んだ役との向き合い方 「毎回新しい発見がある」

森崎ウィン、『海獣の子供』で声優初挑戦

「毎回振り出しに戻るような感覚もある」

ーー『海獣の子供』という作品には、どんな感想を抱きましたか?

森崎:一回答えを探すのをやめようと思いました。でも、「あのシーンはどういう意味なんだろ?」と知らない間に考えていたりするし、「生命の誕生が宇宙と海とリンクするってどういうことなんだろう」とすごく考えるんですよね。でもその考えていること自体がこの作品が与えたかったことなんじゃないかなと思えましたし、「答えはこうなんですよ、泣いてください、笑ってください、楽しんでください」という押し付けをしない作品だから、それに対して自分の想像力が働く作品だと感じました。

ーー作中では「いのち」というテーマが重要になっていますが、森崎さん自身はこの作品に関わって「いのち」をどう感じましたか?

森崎:それこそ僕が9歳の時に弟が生まれたんですよ。生まれたての赤ちゃんを見るのも初めてだったし、その子がどんどん成長して今や僕より身長が高くなっていくのも目にしてきたんです。例えば2歳差なら物心つく前に弟がいるという感覚だと思うんですけど、9歳差なので見え方が全然違っていて、そういう意味では「いのち」を間近で感じたなと。もちろん母親の立場ではないから、自分の体の一部を与えながらという感覚ではないんですけど、それを一番近くで見れたからこそ、「生」というものに対して簡単に言葉にできないですけど、感じるものはありましたね。

ーー「自然」というテーマに対してはいかがですか?

森崎:僕はミャンマー生まれで10歳の時に日本にきました。ミャンマーも意外と都会的ですが、仏教の国なのでちょっと離れただけで寺院がたくさんあるんです。それで中学2年生の夏休みにお寺で修行をやった時に自然の中で暮らしたんです。裸足で山道を歩き、自然を肌で感じた時に、「こんなにも痛いんだ」という感覚がありました。それをこの作品で思い出しましたね。こんなに自然に近いのに人間が拒まれている部分もあるのかなと。

ーー自然の中で確かに感じるものがあったんですね。

森崎:子どもなりに辛かったですけどね(笑)。「あれを経て俺は変わった」みたいな歳でもなかったですし、日本の学校の夏休みだったので、単純に遊びたかったなと(笑)。でも今もう一回やれと言われたらまた感じ方が変わるだろうし、もう一回やりたいなと思っています。坊主にして一度無にして自然の中に自分を投影させると、今だと感じるものはあるんじゃないかと。

ーーアングラードというキャラクターを経て、先ほどお話していたハードルをクリアできたという感覚はありますか?

森崎:いつも作品が終わると、すぐに反省点を挙げて書き出したりするんですけど、「何かをクリアできたな」というのは案外すぐ感じないものなんです。その時はとにかく必死で、終わってみると反省点ばかり見えちゃうんです。でも次の作品に入った時にその時に乗り越えたものが、自然とできているというか、そこで成長を感じられるのかなと思います。でも、作品ごとにゼロに戻っちゃうところもあって、「あの作品でああいう風にできたから次はこうできるかな」と思ってやってみると、全然ダメで毎回振り出しに戻るような感覚もあるので、まだ自分のものになっていないのかもしれません。

ーー反省点ばかり見えるというのは、今も変わらず?

森崎:自分を見るとどうしてもそうなるんですよね。そこがあまり良くないなと思っていて、自分の良いところを知った上で認めることも必要なのですが。ただ完成した作品を観た時に唯一、「アングラード、声めっちゃいいな」と思いました(笑)。最初の一言を発したシーンで「ピッタリだ」と。もちろん声の好みは人それぞれですが、自分でもそれを感じられたので本当に良かったです。

(取材・文・撮影=安田周平)

■公開情報
『海獣の子供』
全国公開中
原作:五十嵐大介『海獣の子供』(小学館 IKKICOMIX刊)
キャスト:芦田愛菜、石橋陽彩、浦上晟周、森崎ウィン、稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹、田中泯、富司純子
監督:渡辺歩
音楽:久石譲
キャラクターデザイン・総作画監督・演出:小西賢一
美術監督:木村真二
CGI監督:秋本賢一郎
色彩設計:伊東美由樹
音響監督:笠松広司
プロデューサー:田中栄子
アニメーション制作:STUDIO4℃ 
製作:「海獣の子供」製作委員会 
配給:東宝映像事業部
(c)2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会
公式サイト:www.kaijunokodomo.com
公式Twitter:@kaiju_no_kodomo

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<応募締切>
6月23日(日)

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