向井理が秘めた気持ちをついに吐露 『わたし、定時で帰ります。』互いに補い合うことで“チーム”へ
「私たちは敵じゃない。チームなんだよ」
『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)で描かれるのは、違いを知る対比であって、違いを張り合う対立ではない。定時で帰ってプライベートを謳歌したい人がいれば、私生活を返上しても仕事にのめり込む人もいる。失敗と悔しさをバネに成長する人もいれば、最初から器用に立ち回れる人もいる。そして愚痴を言える人もいれば、弱音を吐けずにいる人も。いつだって「そう」動く人がいれば、「そうではない」考えの人もいるということを、気づかせてくれるドラマだ。
第6話では、主人公・東山結衣(吉高由里子)が教育係をしている、新人の来栖(泉澤祐希)がディレクターデビューを果たす。結衣の元婚約者で仕事のできる種田晃太郎(向井理)を“真似る“ことから“学ぶ“来栖を、周囲は微笑ましく見守っていた。
だが、当然ながら形を真似たところで、最初から晃太郎のようにすべてうまくはいかない。晃太郎は、空回りする来栖を助けようとするのだが、サポートしようとすればするほど来栖にとっては“信用されていない“と感じられてしまう。
うまくできない自分を慰めるように生意気な口をきく来栖に晃太郎が苦言を呈すると、来栖はついに爆発。晃太郎に「こっち側の気持ちなんてわからない」と吐き捨てる。そのセリフは、晃太郎にとって弟の柊(桜田通)に手を差し伸べたときに、振り払われた言葉と重なるものだった。
高校生のころピッチャーとして野球に打ち込んでいた晃太郎は、社会に出てからもいつもマウンドの上から全体を見渡すように生きてきたのだろう。チームのためにボロボロになっても、周囲の士気が下がらないようにと涼しい顔をして見せる。傷ついてなんかいない、大変なんかじゃない、という素振りが身につきすぎて、周りからは「傷つかない」「なんでもできる人」と勘違いされるようになってしまった。