藤森慎吾、チャラいだけじゃない? 『インハンド』『ザ・ファブル』出演で硬軟自在の俳優へ

藤森慎吾、チャラいだけじゃない?

 続けて、4月には藤森にとって初の連続ドラマレギュラー出演となる『インハンド』(TBS系)がスタート。演じるのは、牧野巴(菜々緒)と共にサイエンス・メディカル対策室で働くエリート官僚・御子柴隼人で、上司や強者になびいてしまう風見鶏キャラだ。藤森は役柄について、公式コメントの中で「監督からは、エリートではあるけどそんなにキリっとしてないイメージだと言われているので、チャラ男な雰囲気を3%くらい残しつつ(笑)」と語っている。第1話での道で見かけた牧野に声をかける場面は若干のチャラ男要素を感じさせるものの、物語の終盤に紐倉哲(山下智久)の義手を巡る過去について牧野に報告する姿には行政機関で働く堅実なイメージを持たせていた。

 そして、『インハンド』とバトンタッチするようにして6月より上映を開始するのが映画『ザ・ファブル』。この作品において藤森が演じる河合ユウキはメインキャストではないが、ファブル(岡田准一)の相棒・ヨウコ(木村文乃)をバーで口説こうとする様子は、チャラ男そのもの。『ザ・ファブル』は、アクションとコメディを掛け合わせた作品であり、映画序盤、徐々にストーリーが過熱していく中でアクションシーンに合わせてインサートされる藤森のおチャラけた姿は、これから始まる『ザ・ファブル』のテンションを象徴しているようでもある(ちなみに、藤森は序盤以外にもあるシーンで出演している)。

 『ザ・ファブル』と同じアウトロー作品で言えば、映画『闇金ウシジマくん Part3』(2016年)への出演も過去にあった。新宿・歌舞伎町の歓楽街には弾けたキャラが付き物であり、そのイメージが定着している藤森は誰もが納得のハマり役だ。けれど、一方で『七つの会議』や『インハンド』のようにスーツを着た堅物キャラも演じられる。その振れ幅ある演技が藤森の俳優としての魅力だろう。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『インハンド』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:山下智久、濱田岳、菜々緒、藤森慎吾、高橋春織、酒井貴浩、田口トモロヲ、松尾貴史、光石研
原作:朱戸アオ『インハンド』(講談社『イブニング』連載中)
脚本:吉田康弘、田辺茂範、福田哲平
プロデューサー:浅野敦也(TBSスパークル)、佐藤敦司(TBSスパークル)
演出:平野俊一、岡本伸吾、青山貴洋
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/inhand/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる