『キングダム』長澤まさみが魅せた凛とした強さ “アクション女優”に本格参入も?

長澤まさみ、『キングダム』で光る魅力

 『キングダム』の監督でもある佐藤信介監督の『アイアムアヒーロー』で、命からがら生きるために必死に戦うサヴァイヴアクションを熱演していた長澤だが、『キングダム』では、大勢の手下を従え、凛々しく絶対的強さを見せる戦(いくさ)のアクションとなっている。泥臭く血生臭い男たちの戦場で、女性ならではのセクシーさを見せながら、死をも恐れない達観した視線で、まるで映画『ワンダーウーマン』のようにバッタバッタと相手を切り裂いていくそのアクション。一目見て分かる、スタイルの良さと凛とした美しさがある長澤にしかできないかっこよさだ。また荒野や、マスクを付けた屈強の男たちの中に立つと、カリスマっぷりが実に映え、後輩俳優たちを相手にする演技は頼もしさを感じさせていた。

 今アクションを得意としている女優としては、清野菜名や菜々緒の名前が浮かぶが、楊端和というリーダー格のキャラクターを通して、長澤もそこに参入したと言えるだろう。30代に入った大人の女性らしい魅力と、前述したような女優としての長年のキャリアから滲み出るものは、山界の王が多くものを背負ってきた背景の深さとリンクするかのようだ。

 映画『キングダム』は、長澤だけでなく、吉沢亮や大沢たかおの存在感が改めて素晴らしく、この3人のこれまでとは違った魅力を感じるだけでも、見る価値のある映画となっている。中国有数の巨大撮影所・象山影視城で行われたロケでは、その時代の王宮セットがそのまま再現され、参加した制作スタッフ700人、兵士役エキストラは延べ10,000人が参加。
大作と呼ぶにふさわしい仕上がりとなった本作には、そのスケールに負けない実力を持った俳優たちが勢ぞろいしている。漫画原作という先入観がなくても、戦国絵巻として最高のエンターテインメントとなっている。その中で光り輝く長澤は、女優として更に上のランクへと駆け上ったと感じた。

(文=本 手)

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記。

■公開情報
『キングダム』
全国東宝系にて公開中
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉、佐藤信介、原泰久
出演:山崎賢人、吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、満島真之介、阿部進之介、深水元基、六平直政、髙嶋政宏、要潤、橋本じゅん、坂口拓、宇梶剛士、加藤雅也、石橋蓮司、大沢たかお
配給:東宝
製作:映画「キングダム」製作委員会
(c)原泰久/集英社 (c)2019映画「キングダム」製作委員会
公式サイト:kingdom-the-movie.jp

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