オマージュだけでは終わらない 『ファイナル・スコア』は新たな“ダイ・ハード映画”の快作だ!

オマージュだけでは終わらない 『ファイナル・スコア』は新たな“ダイ・ハード映画”の快作だ!

 イギリスで作られたアメリカ映画! あるいはイギリスにも『午後のロードショー』を愛する男がいた! 本作『ファイナル・スコア』(2018年)は、80~90年代ハリウッド産アクション、とりわけアクション映画の古典的傑作『ダイ・ハード』(1988年)への強烈な愛と敬意に溢れている。新たなダイ・ハード映画の快作だ。

 ホラー映画の中にサメ映画や田舎ホラーというジャンルが存在するように、アクション映画にも「ダイ・ハード映画」というジャンルが存在する。悪い連中に乗っ取られた場所で、恐ろしくタフなやつが孤軍奮闘、あの手この手で逆転して、悪を追い詰めていく……ダイ・ハード映画は基本的にこのプロットに従って進行する。あとは乗っ取る場所と、主人公と悪役のキャラクターの違いだ。

 『ダイ・ハード』はブルース・ウィリス演じる刑事ジョン・マクレーンが、ナカトミビルの中で武装集団と戦う。『沈黙の戦艦』(1992年)では元特殊部隊で現コックのスティーヴン・セガールが戦艦で戦い、『サドン・デス』(1995年)ではジャン=クロード・ヴァン・ダムがアイスホッケー会場で戦った。『ホワイトハウス・ダウン』(2013年)と『エンド・オブ・ホワイトハウス』(2013年)が揃って公開され、1年に2度ホワイトハウスが乗っ取られる奇跡が発生したが、前者は大統領とSPのバディ・アクション、後者はジェラルド・バトラー演じる狂戦士マイク・バニングと、キャラクターで上手く差をつけていた。直近のダイ・ハード映画では、ロック様ことドウェイン・ジョンソン主演の『スカイスクレイパー』(2018年)が挙げられるだろう。こちらは主人公が義足、おまけに舞台が文字通り炎上中の高層ビルとハードな要素を含みつつ、家族のチームワークに力点を置いて新鮮な仕上がりになっていた。

 では、今回ご紹介する『ファイナル・スコア』はどうだろうか? まず舞台はイギリス、そしてサッカーのスタジアムである。イギリス出身のスコット・マン監督の「アメリカ名物がホワイトハウスなら、うち(イギリス)の名物はフットボールだ!」という叫びが聞こえてくるようだ。劇中で「“サッカー”じゃなくて“フットボール”だ!」と現地人が激怒して人をブン殴る『広島カープ誕生物語』ばりの郷土愛爆裂シーンがあり、イギリス人のフットボールに対する並々ならぬ愛を感じることだろう。そして、主役を務めるのは、出せば映画が安定する男、アクション映画界の筋肉文鎮ことデイヴ・バウティスタ。こちらはアメリカからやってきた元・軍人という安定の役どころで、不器用ながら優しさに溢れた正義漢を熱演している。

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