初動3日間で6億円突破 『キャプテン・マーベル』、MCU大団円に向けて幸先の良いスタート

『キャプテン・マーベル』幸先の良いスタート

 先週末の映画動員ランキングは『映画ドラえもん のび太の月面探査記』が、土日2日間で動員36万人9000人、興収4億3800万円をあげて3週連続1位に。初登場2位の『キャプテン・マーベル』は、土日2日間で動員27万9000人、興収4億2700万円。土日の興収では僅差で1位を逃すこととなったが、初日金曜日からの3日間の動員は40万8225人、興収は6億1511万5100円。この初動成績は『アベンジャーズ』シリーズ以外のマーベル・シネマティック・ユニバース作品としては、2017年8月に日本公開された『スパイダーマン:ホームカミング』に次ぐ好記録。『マイティ・ソー バトルロイヤル』、『ブラックパンサー』、『アントマン&ワスプ』といった近年の単独ヒーロー作品を大きく上回っている。

 『キャプテン・マーベル』のヒットについては、マーベル・シネマティック・ユニバースの日本での人気の定着、同ユニバース初の女性ヒーロー作品といったファクターも挙げられるが、それらのファクターも含めて一言で言うならば、来月26日に公開が迫ったマーベル・シネマティック・ユニバースのフェイズ3最終作となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』への期待感の表れと言っていいだろう。昨年、日本以外のすべての公開国では、前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の1か月前に公開された『ブラックパンサー』の爆発的ヒットが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への格好の景気付けとなったわけだが、今年に関してはそうした「前座興行による景気付け」的機運がようやく日本にも及んできたかたちだ。

 これまでの映画のシリーズもの/ユニバースものでは、次作の公開までどんなに短くても半年以上の間隔が開いていて、その間にBlu-rayやDVDなどのソフト、あるいはBS、CS、ストリーミングなどでの放送、あるいは配給会社の戦略もあって特例的におこわれてきた地上波放送などで、観客は事前に作品の予習をすることができた。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ/エンドゲーム』の間の公開作品でも、昨年8月に日本公開された『アントマン&ワスプ』に関しては、公開時に見逃した人もソフトなどで後から鑑賞することは可能だ(当然、『アントマン&ワスプ』にも今回の『アベンジャーズ/エンドゲーム』へと繋がるはずの重要なシークエンスがある)。

 ところが、昨年の『ブラックパンサー』→『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、そして今年の『キャプテン・マーベル』→『アベンジャーズ/エンドゲーム』の間の、全世界共通の約1か月という公開インターバルでは、劇場に足を運ばないと重要な伏線となる直前の作品を観ることができない。さらに、既に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の中で新ヒーロー誕生の背景などのお披露目を済ませていた昨年のブラックパンサーと違って、今年のキャプテン・マーベルは今作『キャプテン・マーベル』が完全初登場となる新ヒーロー。『アベンジャーズ/エンドゲーム』の最新予告編を観る限り、そこで極めて重要な役割が課せられるであろうキャプテン・マーベル。マーベル・ファンにとっては、いずれにせよ「観ない」という選択肢はあり得ないのだ。

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