『キャプテン・マーベル』が愛と正義の戦士になるまでの軌跡 その精神はセーラームーンに通ずる?
3月8日は国際女性デー。女性差別撤廃を目指し、女性の地位向上を称えるこの日にマーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)初の女性単独映画『キャプテン・マーベル』は世界各地で公開された。IMDbによれば、3月8日以降に公開されるのは、なんと日本とナイジェリアのみ。両国とも7日遅れの公開ではあるが、『ブラックパンサー』『アントマン&ワスプ』で本国から遅れて公開した中国やイタリアなどの国でも『キャプテン・マーベル』においては足並みを揃えており、3月8日公開の重要さが伺える。
そんな一斉公開効果もあってか、『キャプテン・マーベル』の全世界オープニング累計興収は4億5,500万ドル超えを達成。これは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に次ぐMCU史上2位の成績だ。この快挙の裏では、米レビューサイト「Rotten Tometoes」内で、公開前から一部の保守的なユーザーによる荒らし行為が行われるなど反発行為が起こったものの、その効果も虚しく、30%台からのスタートした観客スコアは、現在60%台に回復した。
また近年アメリカでは、ヒーロー映画の女性支持率が上がっており、『キャプテン・マーベル』の女性観客はオープニングの段階で全体の45%を占めた。同数字は映画としては低いのだが、MCU第1作目『アイアンマン』で女性客が35%しかいなかったことに比べればヒーロー映画として大いなる飛躍といえる。MCUは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で当時最高値だった44%を達成して以降、『ドクター・ストレンジ』を除き女性客40%台をキープしてきた。ただ、DCの女性単独ヒーロー映画『ワンダーウーマン』はオープニングで観客の52%が女性だった。『キャプテン・マーベル』と『ワンダーウーマン』の差は、本作が『アベンジャーズ/エンドゲーム』への鍵となるため、従来のファンが多くいる男性客が足を運んだせいだろう。とはいえ、MCUのオーディエンス男女比が半々になる日は、そう遠くない結果だ。
面白いことに、過去作を見れば、劇中内での女性の活躍と女性の集客は綺麗に比例する。
■女性客44%
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』41分(全体の33%)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』50分40秒(全体の約37%)
『マイティ・ソー バトルロイヤル』42分(全体の37%)
■女性客45%
『ブラックパンサー』54分(全体の40%)
『アントマン&ワスプ』65分45秒(全体の約55%)
上記は、MCU作品で女性キャラクターが映った時間と、女性の集客率を並べたもの。これからも『ブラック・ウィドウ』の単独作品などMCU内での女性ヒーローの活躍が積極的に進められていることを考えれば、観客の男女比率が半分ずつになる日は、そう遠くないはずだ。(参考:https://www.digitalspy.com/movies/g25270/mcu-marvel-women-female-screen-time/?slide=20)