「kino cinema」開業で横浜は映画館激戦区へ 映画発信するホットスポットへと変貌遂げるか?

「kino cinema」は横浜映画シーンをどう変える?

 4月12日に、「kino cinema 横浜みなとみらい」が、横浜みなとみらい地区にオープンする。

 同館は、株式会社kino cinemaが運営する初の映画館。109席、109席、53席の3スクリーンで計271席が用意され、ミニシアター系作品を中心に、世界の様々な国の作品、ファミリー向け作品まで幅広く上映する。みなとみらい地区と言えば、ランドマークタワーや赤レンガ倉庫、インターコンチネンタルホテル、コスモクロック21など、横浜の名所やシンボルが凝縮された観光エリア。同地区には、すでに「横浜ブルク13」「イオンシネマみなとみらい」と大手シネコンが根を張っており、そこに進出する形となる。

 関東近郊の映画館が集まる街と言えば、大手シネコンからミニシアターまで幅広く集結する新宿エリアを始め、池袋、渋谷、川崎、丸の内などが有名だ。集客の容易さなどを鑑みると、大きなターミナル駅に映画館が集まるのは必然。しかし、横浜エリアに関して言えば、その事情は特殊だ。

 横浜駅は全国屈指のターミナル駅で、2017年度の調査によると1日の乗降客数は平均約230万人で全国第5位にランク付けされている(参考)。JR東日本、京急、東急、横浜高速鉄道(みなとみらい線)、相鉄、横浜市営地下鉄の6事業者が乗り入れており、1駅に乗り入れる事業者数としては日本最多となる。これほどのターミナル駅にも関わらず横浜駅の付近には現在「ムービル」という映画館1館しか存在しない。

 また、みなとみらい地区の玄関である桜木町駅と横浜駅は電車で1駅、歩いて20分とほど近い距離に位置する。更に1駅進んだ横浜スタジアムがある関内駅には、「シネマ ジャック&ベティ」「横浜シネマリン」と県内有数のミニシアターが立ち並ぶ。いくつかの駅を跨ぐ形で大手シネコンからミニシアターまで合計5館が立ち並ぶというのが、現在の横浜エリアの映画館事情となる。

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